同一倍率時の焦点距離によるボケ量変化

 以前の記事でフォーマットサイズによってボケ量がどう変化するか計算した。

フォーマットサイズによるボケ量の変化 | 五海里
http://illlor2lli.blogspot.jp/2016/08/blog-post.html

 今回はフォーマットサイズが同一でも、レンズの焦点距離が伸びたときに同一倍率で写したときのボケ量の変化について計算する。
 一般的にボケが大きくなる条件としては、レンズの焦点距離は長いほうが、被写体との距離は近いほうがボケは大きくなると知られている。しかし、目的の被写体を異なる焦点距離で写した場合、焦点距離が長いレンズ(ボケが大きい)では被写体との距離は遠く(ボケが小さい)ならなければ同一倍率では写せない。
 その場合、焦点距離の長さと被写体との距離の関係のどちらが大きく影響するのか、計算にて求める。

 使用する式は以前と同じ。
δ = d*f^2/(R*F*(R+d))
δ : 像面上のボケの大きさ(後ボケの場合)[mm]
R : 被写体までの距離[mm]
f : レンズ焦点距離[mm]
d : ピント位置からボケ光源までの距離[mm]

 まずは基準として前回と同じ、50mm F1.4 ピント位置1m ボケ光源1mの場合のボケを用いる。計算は前回と全く一緒だ。
δ = 1000*50^2/(1000*1.4*(1000+1000))
δ = 0.893 [mm]

 次に焦点距離100mmで撮影する場合を考える。
 同一倍率で撮影する場合、焦点距離が50mmの2倍なので撮影距離も2倍となる。
 そのため、条件としては100mm F1.4 ピント位置2m ボケ光源1mだ。
δ = d*(f*m)^2/(R*m*F*(R*m+d))
m : 焦点距離/50mm = 2
δ = 1000*100^2/(2000*1.4*(2000+1000))
δ = 1.19 [mm]
 となり、ボケは焦点距離が伸びることのほうが大きく効くようだ。今までの経験・体感とも合う。

 簡単な2パターンを比較しただけだが、δをmで偏微分してグラフにすれば変化もよく分かりそうだ。面倒なのでやらないが。

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