手動STFモード

 ミノルタのα-7には「STFモード」というものが存在する。
 これは絞り値を変えた写真を7枚多重露光することで135mm STFのようにボケの輪郭を柔らかくするものだ。この動画がわかりやすい。
 「これってデジタル時代の今なら簡単にできるんじゃね?」と思ったのでやってみた。

 一枚目、F1.4から2/3段ずつ絞りを変えて9枚撮影。それを加算平均コンポジットしてみた。
 まずは普通に撮影したもの。F1.4とF4.5を載せる。

【SIGMA SD1 Merrill, Art 50mm F1.4, @50.0 mm F1.4, 1/160sec, ISO100, 0EV】

【SIGMA SD1 Merrill, Art 50mm F1.4, @50.0 mm F4.5, 1/15sec, ISO100, 0EV】

 そしてこれらを加算平均コンポジットしたもの。


 ボケの大きさはF4.5のものと同じくらいに見えるが、明らかにボケの輪郭が柔らかくなっている。

 ではもう一枚。玉ボケではどうだろう。
 このような景色をボケさせて合成してみる。

【SIGMA SD1 Merrill, Art 50mm F1.4, @50.0 mm F4.5, 4sec, ISO200, 0EV】

 合成したものが以下。


 これはひどい。見事に同心円が出ている。
 連続的な変化を与えるSTFとは違い、離散的な変化の重ねあわせになってしまうため玉ボケには向いていないのだろう。

 この手法では以下の問題が生まれる。
・当然三脚前提
・当然静物限定
・玉ボケは同心円状になるため避けたほうが無難
・撮影時の手間が多い
・撮影後の画像処理にかかる手間も多い

 これらの問題を許容して得られる価値が有るか? それは各個人にもよるだろう。
 私は素直に135mm STFを使おうと思う。

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