ハンドストラップに求めるもの


 ハンドストラップは今まで五種類を試した。

Nikon HSBK
Nikon AH-4
ULYSSES アルチェーレ・グランデ
Peak Design Clutch
Peak Design Cuff

 このうちPeak DesignのCuffはハンドストラップというよりリストストラップと呼んだほうが正しいものでちょっと毛色が違う。
 この五種類を使用してみて、自分のハンドストラップの好みがはっきりしたので書き記しておく。
 最初に書いておくが、この中で継続して使っているのはアルチェーレ・グランデとCuffだけだ。

 まず一般的にハンドストラップに求められる性能として「グリップ感向上」と「脱落防止」の二種があるかと思われる。
 私はこの内グリップ感向上はどうでもいい。一般的なストラップを使用できない場合の脱落防止になりさえすれば良いのだ。なので肩掛けストラップを使用しているときはハンドストラップは付けていない。


 まずPeak DesignのClutchだが、これは最も一般的なカメラ右肩のストラップ穴から底部に通ったベルトで手をグリップに固定するものだ。
 このタイプでは手の甲をグリップ側に押し付けているだけであるため、手がスルリと抜けてしまう可能性がある。抜け落ちる心配が少なくなるまで締め付けた場合はキツすぎて操作に難が出てしまい、シャッターすら非常に押しづらい。
 このClutchはそういった「操作時に最適な長さ」と「持ち運び時に最適な締め付け」を簡単に切り替えられる構造となっているが、それでもやはり切り替えの手間はかかる上に脱落の危険性は比較的高い。
 このタイプの中では非常にできが良いが、脱落防止として見た場合は役に立たない。

 NikonのAH-4は手の甲を三方向から支える構造になっている。さらに手首部分のストラップを締め付けることで高い脱落防止効果が得られる。



 しかし締め付けるベルト部分がカメラ底部を経由しているために、締め付けると同時に手首がカメラ側に押し付けられてしまう。そのため操作性はよくない。
 操作性を求めて緩めてしまえば脱落の危険が増す。三方からベルトが出ているためClutchよりは脱落しにくいが、安心とはいえない。

 同じNikonのHSBKはそもそも締め付ける構造を持たない。脱落防止効果は気休め程度だろう。


 そしてULYSSESのアルチェーレ・グランデだが、これは上記不満点を全て解決する構造となっている。
 見た目はNikonのAH-4に似ているが、構造は全く違う。

AH-4の構造

 Nikon AH-4は手の甲を包む三角のパーツの両端から締め付け用のベルト(青)が出ており、カメラ底部を経由して締め付けを行う。青部分を締め付けると手がカメラ側へ締め付けられる。この状態では操作性に支障が出てしまう。

アルチェーレ・グランデの構造

 対してアルチェーレ・グランデの構造はClutchのタイプに手首用ベルトを付け足したものに近い。青部分を締め付けても赤部分には充分に余裕を持たせることができるため、操作性への影響は全く無い。かつ脱落は構造上起こりえない。

 私は持ち運び時にはグリップを握らずブラブラさせている。それでも脱落の危険はゼロだ。
 惜しむらくは帆布モデルでも革製のパーツが多いことだろうか。ULYSSES製品全般に言えることだが、なぜ汗をかく箇所に革を使うのだろうか? 見た目が良くても実用性に難があったら意味がないだろうに。価格も高めなため、他社から同じ構造でナイロンか合成皮革あたりでできたものが出たらすぐに乗り換えるだろう。革は好きだがこんなところに使ってほしくはない。

 材質以外にも機能面で一点だけ不満点があった。こういったハンドストラップ全般に言えることだが、底部の三脚穴を塞いでしまうのだ。
 私はハンドストラップはCapture Camera Clipと同時に使うため、CCC用プレートを取り付けられなければ非常に不便になってしまう。
 一応ハンドストラップのネジと同軸に三脚穴が付いているが、ここを利用してCCCにカメラをぶら下げるとカメラ自体の重みでネジが回ってしまうのだ。
 そのため、この点はClutchを参考に改造を行った。


 従来の底部取り付け部品を取り外し、Peak Designのアンカーリンクスを取り付けたのだ。
 これによりCCC用プレートにアンカーを付けておけば簡単に脱着ができるようになった。
 ちなみに最初の写真にNikonのHSBKが写っていないが、HSBKはこの中に生きている。


 この改造用の紐として。
 本体は捨てた。


 最後にPeak DesignのCuff。これはLX100につけっぱなしにしている。
 本音を言えば脱落防止だけを考えるのであれば全てこれだけで済む。
 ただ、片手を通した状態で手首の輪を縮めるのがやりにくく、落としたときに地面に激突はしなくともCuffの長さの分だけブラブラと振れてしまうため、そのときに何かにぶつけてしまわないとも限らない。アルチェーレ・グランデは完全に手を離してしまっても問題ないが、Cuffではそうもいかない。そのためアルチェーレ・グランデはまるっきり無駄というわけではない。

 Peak Design Clutchの評判を調べると、やはり持ち歩き時と撮影時にすぐに長さを調節できるのが便利だというレビューが多い。
 個人的にはそんな手間をかけずともアルチェーレ・グランデ一つで全て解決するのに、と思ってしまう。

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