【SIGMA SD1 Merrill, Art 50-100mm F1.8, @50.0 mm F1.8, 1/200sec, ISO100, 0EV】

 APS-C用F1.8通しズームにおいて18-35mmに続く第二弾。
 描写性能に関しては18-35mmの性能の高さとMTF曲線から、このレンズも非常に高いレベルにあるだろうと予想していた。
 実際にテスト撮影を行い、またArt 50mmとも比較してみよう。

 まず単焦点のArt 50mmとの比較を載せる。Art 50mm側でF1.8の写真を撮るのを忘れたので同じ絞り値で比較できるのはF2.0からだ。
 また、ピントはMFで合わせているのでずれている可能性がある。


Art 50mm 中央
F1.4
F2.0
F2.4
F4.0
F5.6

Art 50-100mm @50mm 中央
F1.8
F2.0
F2.4
F4.0
F5.6

Art 50mm APS-C周辺
F1.4
F2.0
F2.4
F4.0
F5.6

Art 50-100mm @50mm APS-C周辺
F1.8
F2.0
F2.4
F4.0
F5.6

 Art 50mm単焦点との比較ではズーム側に軸上色収差が目立つ。単焦点はF2.0で改善するがズームは同じF2.0ではまだはっきりと現れている。解像はやはり単焦点側のほうがいいが、絞ればさほど変わらなくなる。
 周辺部は同じ絞り値のF2.0で比較すると、単焦点側のほうがやや点像の崩れは少ないように見える。また、こちらでもズーム側には色収差が見て取れる。こちらは絞っても単焦点側のほうが良いように見える。

 次は70mm、85mm、100mmでの中央と周辺部を載せる。
 85mm以降は画像サイズが大きいため縮小して表示している。PCならばクリックすれば等倍を見ることができる。

Art 50-100mm @70mm 中央
F1.8
F2.0
F2.4
F4.0
F5.6

Art 50-100mm @70mm APS-C周辺
F1.8
F2.0
F2.4
F4.0
F5.6

Art 50-100mm @85mm 中央
F1.8
F2.0
F2.4
F4.0
F5.6

Art 50-100mm @85mm APS-C周辺
F1.8
F2.0
F2.4
F4.0
F5.6

Art 50-100mm @100mm 中央
F1.8
F2.0
F2.4
F4.0
F5.6

Art 50-100mm @100mm APS-C周辺
F1.8
F2.0
F2.4
F4.0
F5.6

 このレンズも50-100mmという焦点距離にもかかわらず、SIGMAのズームによくあるテレ端が一番解像するレンズのようだ。
 いずれにしろ解像力の面では18-35mmと同じく「単焦点に匹敵」と言って差し支えないように思える。

 以下、作例。

_SDI0659
【SIGMA SD1 Merrill, Art 50-100mm F1.8, @100.0 mm F1.8, 1/80sec, ISO100, 0EV】

_SDI0668
【SIGMA SD1 Merrill, Art 50-100mm F1.8, @50.0 mm F1.8, 1/160sec, ISO100, 0EV】

_SDI0681
【SIGMA SD1 Merrill, Art 50-100mm F1.8, @68.0 mm F2.8, 1/800sec, ISO100, 0EV】

_SDI0686
【SIGMA SD1 Merrill, Art 50-100mm F1.8, @100.0 mm F2.8, 1/100sec, ISO100, 0EV】

_SDI0688
【SIGMA SD1 Merrill, Art 50-100mm F1.8, @100.0 mm F2.8, 1/80sec, ISO100, 0EV】

_SDI0693
【SIGMA SD1 Merrill, Art 50-100mm F1.8, @100.0 mm F1.8, 1/125sec, ISO100, 0EV】

_SDI0702
【SIGMA SD1 Merrill, Art 50-100mm F1.8, @50.0 mm F1.8, 1/80sec, ISO100, 0EV】

_SDI0707
【SIGMA SD1 Merrill, Art 50-100mm F1.8, @50.0 mm F1.8, 1/200sec, ISO100, 0EV】

_SDI0708
【SIGMA SD1 Merrill, Art 50-100mm F1.8, @100.0 mm F1.8, 1/320sec, ISO100, 0EV】

_SDI0711
【SIGMA SD1 Merrill, Art 50-100mm F1.8, @100.0 mm F1.8, 1/200sec, ISO100, 0EV】

_SDI0720
【SIGMA SD1 Merrill, Art 50-100mm F1.8, @100.0 mm F2.8, 1/80sec, ISO100, 0EV】

 ブログネタにと思って撮った写真だが、意識して開放ばかり使っていたら本当に開放の写真ばかりだった。なので絞った写真が殆どない。

 使っていて気付いたのは、18-35mmに比べて最大撮影倍率が低いということだ。
 18-35mmは1:4.3、50-100mmは1:6.7なので寄って使うならば18-35mmでないと厳しい。
 しかし換算27-50mm、75-150mmをたった二本のレンズで全域F1.8通しで使えるというのは嬉しい。
 また、このレンズは軸上色収差が開放でも少ない。気軽に開放を使えるのは非常にメリットが大きい。
 今後、このレンズと18-35mmの二本がメインで活躍してくれることだろう。
 ミノルタのα-7には「STFモード」というものが存在する。
 これは絞り値を変えた写真を7枚多重露光することで135mm STFのようにボケの輪郭を柔らかくするものだ。この動画がわかりやすい。
 「これってデジタル時代の今なら簡単にできるんじゃね?」と思ったのでやってみた。

 一枚目、F1.4から2/3段ずつ絞りを変えて9枚撮影。それを加算平均コンポジットしてみた。
 まずは普通に撮影したもの。F1.4とF4.5を載せる。

【SIGMA SD1 Merrill, Art 50mm F1.4, @50.0 mm F1.4, 1/160sec, ISO100, 0EV】

【SIGMA SD1 Merrill, Art 50mm F1.4, @50.0 mm F4.5, 1/15sec, ISO100, 0EV】

 そしてこれらを加算平均コンポジットしたもの。


 ボケの大きさはF4.5のものと同じくらいに見えるが、明らかにボケの輪郭が柔らかくなっている。

 ではもう一枚。玉ボケではどうだろう。
 このような景色をボケさせて合成してみる。

【SIGMA SD1 Merrill, Art 50mm F1.4, @50.0 mm F4.5, 4sec, ISO200, 0EV】

 合成したものが以下。


 これはひどい。見事に同心円が出ている。
 連続的な変化を与えるSTFとは違い、離散的な変化の重ねあわせになってしまうため玉ボケには向いていないのだろう。

 この手法では以下の問題が生まれる。
・当然三脚前提
・当然静物限定
・玉ボケは同心円状になるため避けたほうが無難
・撮影時の手間が多い
・撮影後の画像処理にかかる手間も多い

 これらの問題を許容して得られる価値が有るか? それは各個人にもよるだろう。
 私は素直に135mm STFを使おうと思う。

 私はもともと万年筆等の文具類を撮影したくてカメラにハマった。
 そういった小物の撮影には三脚であるとか背景紙であるとか演色性の良い光源であるとかの機材類が様々必要になるが、まずは何よりも寄れるレンズがなければ話にならない。
 そのため私が最初に一眼レフを購入した際はMACRO 70mm F2.8 EX DGを同時に購入した。しかし、等倍マクロの70mmでも一眼レフの大きい撮像素子で撮影すると期待したほど寄れないと感じる。APS-Cでも24×16mmの範囲までしか撮影できないのだ。
 通常はそこまで寄れれば充分なのだが、万年筆のペン先、特にイリジウムの形状を撮影したいと思うと全く不足だった。イリジウムなど大きいものでもせいぜいがSφ1mm程度のため、APS-Cの長辺24mmに対して4%程度の大きさにしか写せないのだ。
 そこで撮影倍率1倍を超える倍率を得る必要がある。
 この記事では撮影倍率を稼ぐ方法を幾つか挙げていく。


  • クローズアップレンズ

 まずは一番お手軽な方法であるクローズアップレンズ。レンズ先端に取り付ける凸レンズが付いたフィルタだ。
 利点としてはとにかく手軽であることと、さほど値段が高くないことだ。
 欠点は余計なレンズを通すことで写りが悪くなること、フィルタ枠が長いため広角レンズでケラれる場合があること、つけた状態では無限遠に合焦できなくなること。
 写りの悪化はアクロマートレンズを採用したものならばまだマシなようだが、それでも悪化することは避けられない。とくに周辺部の写りは顕著に悪化する。
 しかもそれだけの像の劣化がありながら、倍率はそこまで上がるわけでもない。
 私は安物を一枚だけ持っているが、全く使っていない。もう少しだけ倍率を稼げればいいという目的で、かつなるべく安く済ませたい場合は有効な選択肢となるだろう。
 しかし等倍を超える高倍率マクロを目的にクローズアップレンズを使用する人はかなり少ないと思われる。主な用途は寄れないレンズの撮影倍率改善ではないだろうか。


  • テレコンバーター

LAMY2000
【SIGMA SD1 Merrill, MACRO 105mm F2.8 + EXテレコン2x, @210.0 mm F8.0, 1.3, ISO100, 0EV】

 望遠レンズにテレコンバーターを使用すると、焦点距離はテレコン倍率分だけ伸びるにもかかわらずワーキングディスタンスは変化がない。そのため撮影倍率をテレコン倍率分だけ増やすことができる。
 私はSIGMAのTC-2001を持っているため、これを等倍マクロのMACRO 105mmかMACRO 180mm(もしくは公式には対応を謳っていないが取り付けはできるMACRO 70mm)に取り付けると2倍マクロとして使用できる。
 利点はクローズアップレンズよりは比較的像の劣化が少ないこと、つけた状態でも無限遠に合焦可能なこと、クローズアップレンズよりも倍率を稼ぎやすいこと、クローズアップレンズと同等かそれ以上に手軽なこと、本来の焦点距離を伸ばしたいという用途にも当然ながら利用可能なこと。
 欠点はテレコン自体がやや高いこと、マウントにもよるのだろうがSAマウントでは使用可能なレンズが限られること、暗くなること。
 私はSD1とMACRO 105mmに2倍テレコンを付けて撮影倍率2倍、35mm判換算3倍の状態で使用している。通常通りテレコンをかませるだけで換算3倍マクロが撮影できるため、3倍程度で足りる場合にはとても便利だ。


  • 接写リング

 テレコンのようにボディとレンズの間に噛ませるアクセサリ。レンズ等は入っておらずただの筒になっている。
 理屈としては全群繰り出し式のフォーカスでレンズ全体を接写リングの幅分だけ繰り出した状態に置くことで近くにピント位置を持ってくるというもの。
 利点はメジャーなマウントならば電子接点や機械絞りが利用可能なこと、余計なレンズを挟まないため画質の劣化が少ないこと。
 欠点は無限遠に合焦できないこと、テレコンほどではないが純正品では高いこと、接写リングの厚みと組み合わせによって撮影倍率が変化するために倍率の変更が面倒なこと。
 NikonやPENTAXは純正アクセサリで接写リングを用意している。
 私はSD1で使用するためにサードパーティ製のKマウント用を買った。が、KマウントとSAマウントの寸法の違いからレンズがはまらなかった。下に挙げるK用リバースアダプタは付いたので接写リング + リバースアダプタの組み合わせならば使用でき、17-50mm F2.8 EX DC OS HSMでAPS-Cの横幅24mmに対して3mm弱が写り、実倍率約8倍まで稼ぐことができた。

SD1 Merrill + 接写リング + 17-50mmリバース@17mm トリミング無し

 しかしSD1はレンズ情報がない場合に色被りを生じるうえ、光学ファインダーではあまりにも暗すぎて被写体が一切見えなかった。倍率が高くとも実用性はない。


  • リバースアダプタ

 レトロフォーカス型のレンズ(マウントにもよるが概ね実焦点距離40mm未満の広角レンズ)を逆向きにカメラに取り付けると、それだけで高倍率マクロの撮影が可能となる。
 その取付を可能にするものがリバースアダプタだ。片側はレンズ側マウントに、もう片方はオネジになっており、このオネジでレンズ先端のフィルタ用メネジに取り付けを行う。フィルタ径は大抵合わないのでステップダウンリングを噛ませることになる。
 利点は接写リング同様余計なレンズがないため画質がいいこと、リバースアダプタが比較的安価で手に入ること、レンズのマウントが他社用でも使えること。
 欠点はアダプタが安価とはいえ通販くらいでしか手にはいらないこと、無限遠の合焦ができないこと、絞りが電磁絞りならば基本的に操作不可能なこと(SIGMA SAもしくはCanon EFならば後述する方法で絞れる)、単焦点では撮影倍率の調整が不可能なこと、傷に弱い後玉が被写体側に露出すること。
 リバースアダプタはSAマウント用とAマウント用の二種類を持っているが、上述の通りSD1では実用性はない。そのためAマウントで使用することになるが、18-35mm F1.8 DC HSM | Artの18mmで約3.8倍の倍率を得ることができた。
 また、18-35mmのズームを利用することで倍率も簡単に変えられる。単焦点ではピントリングを回しても殆どピント位置が変化しないので、単焦点では倍率を変えられないのだ。
 ファインダーの明るさもSD1 + 17-50mmのときよりも遥かに明るいため、被写体の導入とピント合わせも楽だった。
 とはいえ、たかが3.8倍なのだ。たいしたものではない。


  • 望遠レンズ + リバース
この方法で撮影倍率が上がる理屈はわからないのだが、望遠レンズの先端にレトロフォーカスレンズをリバースで付けることでさらなる高倍率を得ることができる。リバースしたレンズがクローズアップレンズと同じような役割をするのだろうが、なぜ望遠レンズに付けるのかよく知らない。
 接続は望遠レンズの先端のフィルタネジからステップダウンリング、八仙堂の継手リング、ステップダウンリング、リバースレンズのフィルタネジというつなぎ方だ。
 利点は何よりもここで挙げた方法の中で一番倍率を稼げること。
 欠点はリバースレンズ以外に望遠レンズも必要なこと、継手リングが八仙堂でしか手に入らないこと。
 これで得られる倍率はα900 + 135mm STF + Art 18-35mmリバースで約8倍だった。

【【SONY DSLR-A900, Minolta/Sony 135mm F2.8 [T4.5] STF, @135.0 mm F4.5, 1.3, ISO100, 0EV】

【SONY DSLR-A900, Minolta/Sony 135mm F2.8 [T4.5] STF, @135.0 mm F4.5, 8, ISO100, 0EV】

 この写真はα用ストロボを持っていないためSSが稼げず、演色性に全く考慮されていないLEDライトを光源として用いたため色とブレの点であまり良くはない。あくまでテスト撮影だ。

 また、この方法にはSD1を使うものにとって大きなメリットがある。望遠レンズは普通に取り付けているため、色被りが現れないのだ。
 私の環境ではSD1ならばαと違ってストロボもリモートレリーズも持っているのでブレの心配もない。
 MACRO 105mm + TC-2001 + Art 18-35mmリバースで撮影してみたところ、実倍率12倍、35mm判換算18倍を得られた。

【SIGMA SD1 Merrill, MACRO 105mm F2.8 + TC-2001, @210.0 mm F5.6, 1/200, ISO100, 0EV】

【SIGMA SD1 Merrill, MACRO 105mm F2.8 + TC-2001, @210.0 mm F5.6, 1/200, ISO100, 0EV】

 APS-Cセンサのトリミング無しでこの大きさである。ここまで拡大して写すことができればもはや不足はないだろう。
 しかし、見ての通り色収差が激しい。これは現像で少しはごまかすことはできるが、この機材では根本的には解決できないだろう。
 多少絞れば少しはマシになるが、それでも条件によっては盛大に出る。絞る場合はリバース側を絞らないとケラれが発生してしまう。SAマウント、もしくはEFマウントでリバース側を絞る場合は絞りプレビューボタンを押したままレンズを取り外せばいい。メーカの想定している動作ではないと思われるので保証はしない。
 上の写真はリバース側F4、下がF5.6。

【SIGMA SD1 Merrill, MACRO 105mm F2.8 + TC-2001, @210.0 mm F5.6, 1/200, ISO100, 0EV】

【SIGMA SD1 Merrill, MACRO 105mm F2.8 + TC-2001, @210.0 mm F8.0, 1/200, ISO100, 0EV】

 また、被写界深度も非常に薄く、おまけにボケがザワザワしていてうるさい。これはピント位置を変えて複数枚撮影し深度合成を行えば解決はするだろうが手間がかかる。ボケ味はともかく被写界深度は高倍率マクロである以上避けられないのだが。

 ここまで拡大して撮影する手段があると身近なものを撮ってみるのも面白いが、いい被写体が見つからない。とりあえず目についたネクタイを撮ってみた。

【SIGMA SD1 Merrill, MACRO 105mm F2.8 + TC-2001, @210.0 mm F5.6, 1/200, ISO100, 0EV】

 高倍率マクロでは当然ながらピントが非常にシビアになる。この点はsd Quattroの発売が待ち遠しい。

 撮影倍率が35mm判換算18倍ともなると、少なくとも万年筆のイリジウム撮影では充分だ。
 望遠+リバースは必要な機材が多くなるが、細かいものを撮影してみたい人は挑戦する価値はある。

 SD1は書き込みが遅い。
 それはメディアを変えても殆ど変化がない。おそらく書き込みに必要な時間は少なく、画像処理にかかる時間がほとんどなのだろう。
 あるいはSD1はもともとSDカード向けのモジュールをCFに変換して使っているという噂が存在しているが、それが真実ならばボディ側の書き込み速度がボトルネックとなっている可能性もある。

 とはいえ、それは知識としては知っていたが実際にテストして確かめたわけではない。
 今、3種類のCFが手元に存在している。せっかくなので確かめてみることにした。

 条件は以下のとおり。
・使用メディアは以下の3つ。
 Transcend 400x 32GB
 SanDisk Ultra 8GB
 SanDisk Extreme Pro 64GB
・カメラ側の設定はMモード、絞り開放、SS1/8000。
・バッファフルの7枚まで連写
・測定は連写開始〜書き込みランプ消灯まで

 そして結果が以下。

使用メディア書き込み時間
Transcend 400x 32GB1分27秒
SanDisk Ultra 8GB1分23秒
SanDisk Extreme Pro 64GB1分21秒

 見事に大差がない。差は7%に満たない。SD1にExtreme Proは宝の持ち腐れだ。


 ついでにα900でも試してみた。こちらはバッファフルまで14枚撮影できるので、14枚での書き込み速度を載せる。

使用メディア書き込み時間
Transcend 400x 32GB16秒
SanDisk Ultra 8GB18秒
SanDisk Extreme Pro 64GB11秒

 こちらは最大38%程度の高速化だ。しかしSD1に慣れていると、呆れるほど速い。画素数の差はおいておくとして、15倍近くのスピードで書き込めている。
 SD1での結果とTranscendとSanDisk Ultraの速度が逆転しているが、手動計測による誤差と1回しかテストしてないことが影響しているのだろう。

 わかっていたことだが、SD1を使うのならばCFに金をかけても何の意味もないことが再確認できた。

 アクセサリの少なさに悩むSAマウント使いの皆さん、こんにちは。

 Peak Designからレンズ交換を簡単にするためのアクセサリ、Lens Kit(Capture Lens)が発売された。Lens Kitはレンズ取付部単体での商品名で、Capture Camera ClipとセットとなったものがCapture Lensという名称で販売されている。私はCapture Camera Clipは二個持っているためLens Kit単体で購入した。

 このLens Kit、例によってCanon EFマウント、Nikon Fマウント、SONY Eマウントの三種類しか販売されていない。他マウントユーザはKickstarterのコメント欄に「このマウントも出して!」と書き込んでいる状態だ。そのため要望の多いマウントに関しては将来的に対応される可能性はある。
 しかし断言しよう。将来的に追加されるマウントはまずm4/3、奇跡が起きればSONY AマウントとPENTAX Kマウント、Fujifilm Xマウントであり、奇跡が起きようが天地がひっくり返ろうがSIGMA SAマウントは追加されない。絶対にだ。
 また、奇跡が起きてPENTAX Kマウント用が発売されたとしよう。形状的にKマウントと同一と言われるSAマウントならばK用で使用できるのではないか? という希望が浮かぶ。
 しかし、過去記事に書いたとおり手持ちのK用リバースアダプタや接写リングはそのままではSAマウントに取り付けできない組み合わせがある。ノギスでマウント部を計測したところ、レンズ側K-ボディ側SAならばガタが生じながらも取り付けはできるが、レンズ側SA-ボディ側Kでは取り付けできないことが判明した。Lens KitのK用が発売されたとしてもレンズ側SA-ボディ側Kという使用できない組み合わせとなってしまうのだ。

 しかしPeak Design好きのSAマウント使いとしてはLens KitもSD1も使いたい。となるとLens KitをどうにかしてSAマウントに対応させる必要がある。
 そこでまず思いつく方法としては、SONY Eマウント用に対してSA-Eマウントアダプタを利用してSAマウントレンズを取り付ける方法だ。
 ところがこの方法ではフランジバックの差だけマウントアダプタの厚みが必要になってしまう。SONY Eマウントのフランジバックは18mm、対するSIGMA SAマウントは44mmだ。その差26mm。Lens Kitの両側にアダプタを取り付ける必要があるため、二個分の52mmが余計な厚みとして必要となる。
 これではあまりにもかさばりすぎる。

 そこでマンフロット405をアルカスイス規格互換に改造したときと同じ方法を取ることとした。そう、自分で図面を引き、マウント部のパーツを作ってしまうのだ。
 もともとはこちらのマウント交換が構想としてあり、後からそれができるならば405のアルカ化もできるのではと実行したのが上の記事なのだ。

 と、いうわけで本家Webにて一般販売が開始されたタイミングでEF用を購入した。K用発売の奇跡が起きればSAに流用できるのではと思っていたため流用できないことに気づくのが遅れてしまい、Kickstarterで注文できずに本家Webで普通に購入することとなった。
 Lens KitとSAマウントのボディ側・レンズ側を計測して引いた図面がこちら。寸法レイヤーは非表示にしてある。


 見ての通り、レンズロックピンの位置を基準にマウント部の位置を合わせたので、外径に対してマウントが数mmオフセンターな配置となっている。
 Lens KitはCanon EFマウント用をベースとしているが、マウント径が近いものを選んだほうがよかったかもしれない。ベースが違うのかは確認していないが。
 加工は前回と同じく1-OFF.jpで。

1-OFF.jp
http://1-off.jp

 発注にあたり悩んだのが材質だ。マウント部には真鍮が使用されることが多いようだが、それはレンズ側の話だ。ボディ側のマウントは一般的に何が使用されているのか調べたところ、同じように真鍮+硬質クロムメッキかもしくはステンレスが多いらしい。
 そこで最初は加工性がいい真鍮+硬質クロムメッキで作成しようかと思ったが、硬質クロムメッキ同士では摺動時にかじりを起こして摩耗が多くなるとのこと。レンズ側にもおそらく硬質クロムメッキが施されているだろうことを考えると、残る選択肢はステンレス一択となる。
 金額的制約がないならばSUS316でも選択するのだがそうもいかない。被削性を考えてSUS303とした。
 なお、本家Peak Designのマウント部はどうもアルミ製アルマイトなしのように見える。レンズ側マウントと摺動することを考えればLens Kit側を弱い材質で作ることでレンズ側を保護し、摩耗したらLens Kitだけを新調すればいいので合理的な選択と思える。
 しかしSAマウントパーツはワンオフ制作だ。アルミで制作して摩耗した場合、もう一度ワンオフで発注しなければいけない。そしてそれはレンズ側マウントがすり減って修理に出すよりも確実に高額なのだ……

 そして待つこと1ヶ月。完成したのがこちら。


 うつくしい……
 マウント取り付け指標にはエナメルで赤の塗装を入れてもらった。

 裏面はこちら。


 そして組み込んだ状態がこちら。


 パーツの外径も元のLens Kitにピッタリと合っている。
 組み付けは表裏のネジが一本の丸棒の両端にあるメネジに付けられており、表側のネジを回しているのに裏側が緩んでくることがあった。これは組み立てコストがかかりそうな……


 実際にレンズを取り付けてみたところ、純正EF用よりもガタが少なかった。元のマウントパーツはそこそこ公差がゆるいのか、ガタが問題にはならない程度だが大きいのだ。
 これはボディ側マウントに板バネが入っていない以上、どうしても出てしまう。にも関わらず改造後はこのガタの少なさ。加工精度が素晴らしい。


 しかし一点、失敗したところがある。このロックピン付近の爪下側にできた段差だ。


 レンズをマウント側へ押し付けずに回すと、この段差に引っかかってしまう。ちゃんと押し付けながらでは問題にならない。スムーズに取り付けができる。
 この箇所は図面を見ればわかるが、図面がてきとーで間違っている。反省点だ。

 マウント部が外径中心よりオフセットされているせいで、レンズ取付指標は赤に塗ってもらっているがちょっとわかりにくくなっている。ここは慣れが必要だろう。

 また、オフセットの弊害としてレンズ側マウント面が一部はみ出してしまっている。


 傷などが少々心配か?

 このマウント部のパーツをアルミからSUSへ変えたおかげで、重さが少々増してしまった。これは仕方がない部分である。

 あとはLens Kitそのものの使い勝手だが、小さいレンズならば非常に便利に使えそうだ。しかしMACRO 180mm F2.8はちょっと大きすぎだ。まだ外に持ち出していないので運用法はこれから考えていく。

 これでCaptureを二つ手に入れた意義がようやく出てきた。これから活躍してくれることだろう。

 フォーカシングスクリーン:固定式、全面マット

 SD1の仕様表にはこう書いてある。
 では、この金具はなんだろう?


 明らかにスクリーンを取り外せそうな金具がある。メンテナンスの観点からもここからスクリーンを取り出せるようにしていると考えて間違いない。
 とはいえ、取り出したところで交換用のスクリーンを持っていない。別にスクリーンにゴミが挟まったわけでもないし、外してみたところで何もできない。
 ならば構造もよくわかっていない素人が触ってもリスクがあるばかりでなんの意味もない。というわけで触ってこなかった。

 しかし、SD1の交換用スクリーンが売っていた。台湾で。

Focusing Screen
http://www.focusingscreen.com

 非純正のスクリーンはカメラを便利に使いたい場合は手を出してはいけない。露出計が狂うからである。というのも今の一眼レフの露出計はペンタプリズム部に配置されているため、スクリーンを通った後の明るさを見ているからだ。拡散性が強いスクリーンに交換すればオーバーに、弱いスクリーンに交換すればアンダーになってしまう。そのためスクリーンが交換できるカメラでは設定に使用中スクリーンを選択する項目がある。
 などという理屈は百も承知で見つけたその日に注文した。面白そうだったんだもの。

 このスクリーンはNikonのFM3A用のK3型スクリーンを加工しているようだ。
 FM3Aはマニュアルフォーカスのため、スクリーンには期待を持てそうだ。K3型スクリーンはスプリットイメージ・マイクロプリズムによるピント合わせが可能で、スプリット部分も素通しではなくマット面になっている。

 交換手順は販売ページにも載っているが、日本語の情報が見つからなかったので一応解説していく。
 しかしこの手順解説ページで使っているSD1、ライカRマウントに換装してある。初めて見た。

 まずIRフィルタ兼プロテクタを取り外す。プロテクタの枠に矢印があるのでその方向に押せば簡単に外れる。


 そしてカメラをひっくり返した状態で件の金具を押す。

 ここでカメラをひっくり返さずにいると、スクリーンがミラーに落下して傷をつける可能性がある。
 フォーカシングスクリーン交換式のカメラではこの枠がヒンジでつながっていてそのような心配がないように作られているが、ユーザーによる交換を想定していないカメラなので仕方がない。

 押しながら上に持ち上げると枠が取り外せる。


 私はこの後カメラをひっくり返してスクリーンを取り出した。


 が、ひっくり返すのはやめておいたほうがいいかもしれない。
 写真では金色の枠が一緒に出てきているが、この枠は取り出すべきではない。出してしまった場合は元の場所に戻そう。

 あとは新しいスクリーンを向きに注意して取り付け、逆順でパーツを戻すだけだ。


 というわけでまずは露出計のズレを確認する。
 日没後、同条件で白い壁をピント位置無限遠、絞り優先オートで5回ずつ撮影したときのシャッタースピードがこちら。


 これを見る限り、評価測光で使う分には大きな影響はなさそうだ。
 K3スクリーンは中央部にスプリットイメージ・マイクロプリズムがあるため、スポット測光・中央部分測光ではアンダーになっている。

 次は過去記事の「フォーカシングスクリーンの拡散性を実測する」で行ったテスト。
 条件は過去記事と同一とした。マット面の明るさを見るために中央からずらした状態でテストしている。その結果が以下となった。


 なんとも腑に落ちない結果だ。F3.2から一旦変化がなくなるが、F1.6〜F1.4までくると僅かに変化が出ている。追試すれば結果は変わるのではないだろうか。
 自分で絞りを変えながらファインダーを見ていると、概ねF2.2までで明るさの変化を感じ取れなくなる。
 露出計も殆ど狂いが出ていないことを考えれば、SD1 Merrillと同じF2.2くらいまでの光束が見えていると考えられる。
 定量的・客観的な結果を求めて拡散性測定をしているが、今回の結果は信用出来ない。でももう一度機材をセットするのは面倒なので再テストはやらない。

 そしてピント精度の確認。
 MACRO 105mm F2.8の開放でMF。「12」の「2」部分にピントを合わせた。


 ピントはちゃんとあっているようだ。調整は不要だった。

 このスクリーンでひとつ期待していたものがある。それは8-16mm F4.5-5.6でのMF改善だ。
 8-16mmは広角端で有効径1.78mmと、私が持っているレンズの中で最も小さい。これで遠景をMFすると、ピントリングを回しても回してもピントがあっているようにしか見えないのだ。
 しかしスプリットイメージ・マイクロプリズムならばもしかしたら……と思っていた。
 試してみたところ、スプリットイメージ部分で僅かに像が左右にズレるため、全面マットよりはいくらかピント合わせはしやすかった。
 とはいえやはり合わせにくい。よほどのことがない限りAFで使うだろう。

 もしかしたらSAマウント機の中では最後の光学ファインダー機になるかもしれないSD1 Merrill。
 sd Quattroが一眼レフではなくミラーレスだったため、まだまだ頑張ってもらわなければならない。


 たのしい!


 まさかまさかの。

 私はSIGMA信者と呼ばれる人種だ。社長のインタビューは欠かさず読み、「これは出す」「これは出さない」「これは答えられない」といった内容も記憶していて、噂やリーク情報も見ている。50-100mm F1.8も焦点距離まではわからなかったが、F1.8ズームだろうなぁとは思っていた。SD1後継機に関しても今日発表があることはわかっていた。
 だが、ミラーレスとは全く予想外だった。

 以前、「SD1後継機に望むもの」という記事を書いた。この記事の妄想がどの程度実現されただろうか。

sd Quattro | カメラ | SIGMA GLOBAL VISION
http://www.sigma-global.com/jp/cameras/sd-series/

1. Foveon X3 Quattroセンサ搭載
 まさかここから当たらないとは。
 APS-Hサイズの新センサー以外に、オートフォーカスが「方式 位相差検出方式 + コントラスト検出方式」となっているところを見れば、像面位相差が追加されているものと思われる。

2. ライブビュー搭載
 ライブビューどころかミラーレスだ。
 私を含めSD1に他社製レンズをつけたことがある人の懸念と「ピントさえわかればモノクロでも……」という心配は全くいらなかったようだ。

3. 処理速度・書き込み速度改善
 最大撮影枚数はSD1の7コマから14コマ(Hは10コマ)になった。しかしバッファフルからの復帰時間は触ってみないとわからない。
2016/06/26追記
 sdQの連続撮影枚数は12コマへ変更された。

4. ファインダーの改善
 そもそもミラーレスになってしまった。
 EVFは236万画素の倍率1.09倍、アイポイント21mm。
 気になるのは無印もHも倍率が1.09倍と表記されていること。これはそのまま読み取ればHのほうがファインダーが大きいと読み取れる。どういうことだろう? 本当にHのほうがファインダーが大きい?
 それ以外ではファインダーの背面側への飛び出し量が大きいため、鼻の圧迫感が少なそうに見える。光軸の右側にオフセットされたEVFはやや覗きにくそうだが、縦グリップ使用時は使いやすい位置に来るものと思われる。こんなところだろうか。
2016/06/26追記
 ファインダー倍率が訂正された。
 無印が約1.10倍、Hが0.96倍となる。35mm判換算ではどちらも同じになるので、ファインダーの大きさはどちらも同じだ。

5. 電子先幕シャッターの搭載
 搭載されていないようだ。Foveonの解像度を活かすならば付けるべきだと思っているが、まあ解像感で勝るMerrillにないのにQuattroにあったってしょうがないとも少し思う。

6. バッテリー容量の増加
 まさか本当にバッテリーを変えてくるとは思わなかった。
 前の記事では変えて欲しいといったが、むしろ同じだったほうがsdQ購入時にチャージャーが手に入るので型番22で揃えやすかった。

7. 外観デザインはどうなる?
 以前ちらりと「SD1後継機のデザインは普通のカメラ」という情報があったが、どこも普通ではなかった。

8. AF性能はどうなる?
 なるほど、ミラーレスならAFセンサいらないね!


 APS-Hの撮像素子は画素ピッチは同一のようだ。最低限のリソースでより大きい撮像素子を採用してきた。


 他、仕様表などを眺めて思ったこと。

・シャッター速度 1/4000秒~30秒、Bulb (バルブ設定時は最大で2分)
 なんでスペックダウンした?

・内蔵フラッシュなし
 ないこと自体はいいが、1灯でリモート発光できるのだろうか? できないならばもう1灯買い足さなければならない。

・質量 約625g (電池、カード除く)(無印の場合)
 SD1に比べてさほど軽くもない。
2016/06/26追記
 Hの質量が追加されていた。630gと無印に比べて5gの違いがある。センサとシャッターの分だろうか。

・グリップ形状
 SD1よりもグリップ感は落ちそうだ。

・APS-Hに対応するDCレンズは?
 DCレンズのうちAPS-Hで使えるもの、使えないもの、クロップモードの搭載非搭載、クロップ時のRAWの取り扱いについて教えてほしい。


 わりと投げやりな書き方で気付いたかもしれないが、正直な感想として落胆している。イライラもしている。
 sd Quattro Hはサブ用途で買う。買うが「これしかないならしゃーない、買うか……」というテンションで買う。買ってもメインにはならない。メインカメラは変わらずSD1 Merrillだ。

 フォトキナでOVF機が出るという奇跡が起これば涙を流して喜び、財布が血を吐こうとも買うが、無理だろう。SIGMAがSAマウント機を2機種一挙にラインナップするというだけで随分思い切っている。
 AマウントOVF難民をネタにしていたが、なんのことはない、SAマウントもOVF難民になってしまった。

2016/3/3追記
 CP+で触ったファームウェアバージョン0.0.3は以下のような感じだった。
・ファインダーの品質はよくない。
・ピーキングが少々見辛い。が、ピーキングの色にもよるだろう。
・背面に出っ張った接眼部がとてもいい。眼鏡越しに覗いていて鼻が液晶に当たらない。
・右手下縦位置でも覗きづらさは感じなかった。
・バッファフルからの復帰は7枚まではサクサク開放された。しかし8〜14枚目の開放速度はMerrill並。
・2ダイヤルがようやく2ダイヤルらしく使えるようになった。Aで後ダイヤルが露出補正として働く。
・ブラケットの設定の仕方確認するの忘れた。

2016/7/9追記
 無印が思ったより安かったため、無印も購入した。

2016/12/25追記
 sd Quattro Hを購入。