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©SIGMA

 今年のCP+では3本の新レンズ、2つの製品アップデートがあった。


・Art単焦点レンズEマウント用追加
 SLR用のArt単焦点レンズ9本(内、新レンズ2本)のEマウント版が発表された。 いままでもMC-11でSAマウント及びEFマウントをEマウントでも使用できたが、EマウントネイティブとなることでAF-C等での使い勝手が向上したらしい。
 しかし、SLR用をそのまま流用するのは14mm、20mm、24mm、35mmあたりでは非常にもったいなく思える。これらSLRのフランジバックよりも短い焦点距離はレトロフォーカス構成となるためだ。最初からショートフランジバックを前提とした設計に比べれば、特に大きさ・重さの点では非常に不利となる。
 昨年のCP+で「DN」が「DC DN」になったため、ミラーレス専用の35mm判対応「DG DN」も開発しているのだろうが、今回のアップデートはその発表が間に合わなかったためにお茶を濁しただけのようにも思える。
 70mm、85mm、105mm、135mmでは仮に同スペックがDG DNで登場したところでSLR用と比較して旨味は少なくなると思うので、中望遠のE版は必要であれば入手するのも良いと思われる。
 おそらく今後DG DNレンズが登場するならば、まずはズーム。その後は広角を優先し、中望遠は後回しになるのではないだろうか。
 私個人としてはEマウントを持っていないし、仮に購入することがあったとしてもSAメインでMC-11を使用すると思うので関係ない。


・キヤノン製カメラのレンズ光学補正に対応
 EFマウントを持っていないのでこちらも私には全く関係がない。
 もともとSIGMAのレンズは光学補正を前提として考えているレンズではないので、補正がなくとも特に問題はないはずだ。(ContemporaryのDC DNを除く)
 とはいえ周辺光量などはどれだけ前玉を大きくしてもコサイン4乗則に伴う光量落ちは物理的に避けることができず(周辺光量チャートにおいてF11でも光量落ちゼロにはなっていない部分が物理的な限界。ただし14-24/2.8の広角側のように変曲点がある場合は口径食によるもの)、また歪曲収差もdp0Q以降の広角レンズでは徹底的なまでに「ゼロ・ディストーション」にこだわっているが特にズームレンズでは真にゼロにはできない。それら物理的な限界を超えるための補正としては有用であるはずだ。
 一点、CP+の社長講演では「周辺光量、色収差、歪曲収差、それから回折補正。全てONにできます」との発言があったが、プレスリリースを見ると

対応する補正機能は「周辺光量補正」「色収差補正」「歪曲収差補正」の3 種類です。

との文言がある。どちらが正しいかははっきりしないが、講演で使われていた画像では回折補正はOFFになっていたためプレスリリースが正しいのではないだろうか。


・14-24mm F2.8 DG HSM | Art
 広角大三元。防塵防滴と前玉の撥水防汚コーティングも施されている。
 昨今のSIGMAの例に漏れずゼロ・ディストーションを掲げ、事実他社同クラスに比較して歪曲は非常に少ない。
 構成図を見ると前玉側から非球面2枚を含むメニスカス凹レンズが4枚使われており、非点収差を発生させないよう緩やかに光線を曲げているように見える。MTFではこの画角、かつズームレンズであることを考えると非常に優秀でサジタル・メリディオナルも均質になっている。星に向いていそうだ。
 一点気になっていた点がある。仕様表に

最短撮影距離 26cm*(*24mm時の値)

とあるが、これはもしかしてバリフォーカルなのでは? そう思いCP+で触ってきたが、120-300ほどのピント移動はなかった。
 しかしArtでSports同等の防塵防滴が掲げられると、ではSportsとはなんぞや? という疑問が生じてくる。24-70/2.8ArtのContemporaryっぽいまとめ方といい、C・A・Sの住み分けが曖昧になってきたなぁと感じる。
 さて、このレンズは非常にいいレンズであろうと期待できるしここでも褒めたが、私は買わない。14/1.8も20/1.4も24/1.4も持っているし、私が待望しているのは8-16の後継なのだ。


・70mm F2.8 DG MACRO | Art
 私はミラーレスが嫌いだ。
 嫌いな理由の4割はEVF。残りの6割はフォーカスバイワイヤである。
 バイワイヤは回転角と移動量の関係が回転速度により変化し、無限遠・最短時がフォーカスリング突き当りの感触では判別不可能で、電源OFF時に操作できず、(少なくともキヤノンSTMでは)一定時間放置後は省電力のためかフォーカスリングが反応しなくなり、ごくごく微量の入力ではレスポンスがない。
 回転速度による移動量変化はメリットでもある。低速の回転では移動量を減らすことで仮想的な最短-無限ピントリング回転角を360°以上にもすることができるため微調整に向く。また、単焦点では関係ないがバリフォーカルでも電子制御でズームレンズとして使用できる。
 そういった利点を重々承知した上で、私はバイワイヤが嫌いだ。優劣ではない。好き嫌いだ。
 待望の70mmマクロの後継はバイワイヤになってしまった。非常に残念だ。
 CP+の会場で少しだけ触ったが、MFは微調整専用のようだ。素早くフォーカスリングを回しても最短付近から無限遠へは一息には行かない。バイワイヤであることの違和感はミラーレス初期のものと比べるとほとんど無かった。だからといって好きになるものではないが。
 今回、ニコン用が用意されていない。これはバイワイヤであることが関係しており、使えないわけではないが使い勝手に問題が出るから、らしい。ネット上ではAF-Pで電源切時に無限遠に戻す制御がないため、前玉が伸びるレンズでは使えないのではないかと言われている。
 バイワイヤ以外の点については不満に思うような部分はなさそうだ。防塵防滴ではないが、コスト面に直接跳ね返ってくる部分なので悪いことばかりではない。
 旧EXの70マクロではテレコンは(物理的には付くのだが)非対応だったが、今回はテレコン対応だ。これにより撮影倍率2倍まで撮影できる。
 嬉しい点がレンズフードだ。旧EXではフィルタネジへのねじ込みで取り付けだったが、今回はバヨネットとなっているため脱着が非常に楽になった。
 またフォーカシングにより前玉が前後するが、これがフード内で前後するようになった。この点が非常にありがたい。
 レンズフードの役割には遮光以外にレンズの保護がある。この点でこのフードは最高の役目を果たしている。旧EXではフォーカシングにより前玉が被写体に接触する危険性があった。最短付近での撮影でもフードを付けていたら被写体とフードが接触し、さらにフードの影が被写体に落ちてしまう。今回のフードはそういった煩わしさが全く無い。つけっぱなしで全ての撮影がこなせるだろう。
 遮光の面でもデメリットばかりではない、と思う。インナーフォーカスのレンズではピント面を近接にした際にブリージングが発生し画角が広くなる。レンズフードはその画角でもケラレが生じないサイズに設計しなければいけない。今回の新70mmでは前玉が伸びるお陰でブリージングの影響を考えずにフードを設計できる。とはいえこのフォーカス方式でどこまでブリージングがあるかはわからないし、所詮丸型フードなのだが。
 今回、「カミソリマクロ」の名称が使われている。これは2006年にデジカメWatchで使われてからSIGMAの70mmマクロを表す代名詞となっていた。こうした名称を公式に使われるのは珍しい。
 正直、「カミソリマクロ」の名称をそのまま使ってくれてよかったと思う。個人的には「ライト・バズーカ」や「BOKEH-MASTER」は、うーん? と思ってしまう。
 最初にバイワイヤについて色々と書いたが、このレンズは予約購入する。


・105mm F1.4 DG HSM | Art
 今回の新製品で一番楽しみなのがこのレンズ。
 105mm F1.4というスペックはNikonが既に出しているが、正直当時のニュースを聞いたときにはこんなスペックSIGMAが出したに違いないと思った。その時の期待に違わず、105/1.4を出してくれた。
 CP+では一般の展示ブースだけではなく、有料のセミナーも行っている。今年のSIGMAの有料セミナーはこのレンズについてだった。要点をざっくりとまとめる。
 105mmのターゲットレンズは85mm F1.4と設定した。85mmは非常に優秀なレンズだが、唯一軸上色収差のみ僅かに大きい(とはいえ旧EXに比べると非常に少ない。実際に使っている私の感覚でも、MerrillでならともかくQuattroで使うにあたっては軸上色収差を問題に感じたことはほぼない)。軸上色収差は輝度の高い被写体の周囲にパープルフリンジを生じ、ボケの周辺に色付きを生む。
 105mmではFLD・SLDレンズをふんだんに使うことでこの軸上色収差を低減している。資料にはg線・d線・C線のスポットダイアグラムが紹介されている。詳しい条件は話されていなかったが、おそらく無限遠時にd線が最小錯乱円になる条件でのものだろう。この条件では全ての波長で錯乱円が小さくなっており、軸上色収差の小ささがわかる。また、「全ての」と書いたとおりd線の錯乱円も小さい。解像力も85mmより高くなっているわけだ。
 次に「BOKEH-MASTER」と名乗るとおりボケ味にも考慮している。無限遠時には球面収差の縦収差図はほぼ直線、極僅かアンダーよりなものが、近接になるとよりアンダー側に倒れる。これにより近接時の後ボケが滑らかになる効果を生む。ボケのスポットダイアグラムも載っていたが、周辺ほど薄くなっていた。この点、三次元的ハイファイを標榜するNikonにどこまで迫れるだろうか。
 口径食は開放ではわずかにあるが、F2.0では周辺部までほぼ丸いボケが得られる。公開されている周辺光量のデータではF2.8でも像高20mmあたりから口径食が生じているためゼロというわけではなさそうだが、実写を見る限り口径食が目立ってはいなかった。
 非球面を使用した際の玉ねぎ・年輪ボケも少ないとのこと。これは以前行ったボケ味計測の85mmでの結果を見るに期待できる。

ボケ味を評価する | 五海里
http://illlor2lli.blogspot.jp/2018/01/bokehtest.html

 また、資料にはなかったが光学設計もメカ設計も星好きが設計しているらしく、星にも向いたレンズとのことだ。開放のMTFを見るとサジタルがメリディオナルよりも落ちているが、これは絞ることで改善しやすいサジタルコマフレアを残し、メリディオナル方向を優先した影響とのこと。少し(1段か2段かは失念)絞るとメリディオナルはあまり変化しないがサジタルは敏感に改善するため、点が点として写る。絞った状態ではMTF上でもサジタル・メリディオナルの差が少なくなっていた。
 他に逆光耐性についても解説されていたが、ArtのDG単焦点を全て持っている私の感覚としては逆光に強いといえるのは14mmだけなので、果たしてどれだけのものか実際に使ってみないとなんとも言えないと思っている。
 このセミナーは一般的な宣伝文句よりも技術的な部分に踏み込んだ解説がされており、それでも私でも理解できる内容だったため非常におもしろかった。
 さて、セミナーでは光学面の話ばかりだったが、その他の部分についても触れよう。
 まず三脚座。最初からアルカスイス互換となっている。雲台を改造してまで全ての三脚をアルカ互換で統一している私には嬉しい。また、この三脚座は脱着可能となっており100-400のような化粧リングで三脚座なしの運用も可能になっている。しかし取り外し可能であるということは50-100/1.8のような上質な滑らかさとクリック感はないかもしれない。
 次にレンズフード。取り付け方法がバヨネットではなく超望遠と同じ方式になっている。これはフード先端にゴム部分があることから、立てて置くことを想定しているものと思われる。個人的にはこの短さのレンズを立てることはないと思うので、フード脱着に手間がかかるデメリットが目立ってしまう。フード形状も不思議なのだが、このサイズで105mmの画角に対応してるのだろうか?
 また、一点残念なことがフォーカスリミッターがないこと。105/1.4の被写界深度ならばリミッターがあったほうが嬉しかった。
 鏡胴は14-24と同じくSports相当の防塵防滴と前玉の撥水防汚コーティングが施されている。
 重量は(発売前の現時点で)1645g。三脚座を取り外せば50-100mmとそう変わらなさそうだ。私は特に苦には感じない。
 CP+会場ではショーケースの中で実際に触ることはできなかったため、発売は70mmよりも後になるのではないかと思う。しかし70mmのバイワイヤのような懸念がひとつもない。今回の発表で一番楽しみな製品だ。当然予約して購入する。
 数日前、twitterのSIGMAクラスタでSIGMA Photo ProのGPU高速化を行った際に出力が変わるという話題が出た。
 試したところ私の環境でも差が出たので記録しておく。
 検証は話題になったときのSPP6.5.3ではなく、最新の6.5.4を使用している。

・環境
SIGMA Photo Pro Ver:6.5.4
PC:MacBook Pro (Retina, 15-inch, Late 2013)
GPU:Intel Iris Pro
GPUドライバVer:1.2

・サンプル写真
【sd Quattro H, 135mm F1.8 DG HSM | Art 017, @135.0 mm F1.8, 1/800sec, ISO100】

・現像設定
全パラメータ0、ディティールスライダー真ん中、ノイズリダクション真ん中、16bit TIFFに出力。

・合焦部切り出し(400*400)
GPUなし

GPUあり

・上部分の差の絶対値(レベル調整0-255 → 0-10)

 見ての通り差は出た。出たが、レベル調整をしてようやく認識できるレベルだ。等倍切り出し画像を見ても、両方を見比べてようやくごくごく僅かに違いがあることに気付くレベルだ。GPUなしのほうがほんの少しだけシャープに見える。
 差の絶対値の色に着目すると、元の写真で緑色しかないような部分では僅かに緑色もあるが、概ね灰色だ。ヒストグラムも各色の山に大きな差異はない。このことでGPUによる差は色への影響が少なく、ほぼ輝度への影響であることがわかる。

 また、主に輪郭線部分で差が出ているようなので、5pxのガウスぼかしをかけた状態での差の絶対値も作ってみた。

・ぼかし後差の絶対値(レベル調整0-255 → 0-10)

 見ての通りほぼ差はなくなった。真っ黒なだけに見えるが、ほんの少しだけ差は出ている。
 この結果からGPUの影響は
・シャープネスへのものが大きい
・シャープネス以外の影響は1ピクセル単位の微小な点でのものである
 ということがわかる。

 私の環境での結果では、この程度の差は考慮する意味なしだ。
 そもそも差の絶対値を見るまでもなくGPUありなしを比べれば差異はほぼなしとしていいだろう。

 しかし、twitterでは環境によってノイズリダクションの程度が変わりノイズが増えるという報告もある。この差異は環境しだいで変わる可能性があるので、自分のPCで一度確かめてみるべきかもしれない。

 SIGMAのsd Quattroが発売されてから、本日7月7日で一周年となる。
 sdQは発売日に予約購入したので、私がsdQを触ってからもちょうど一年が経った。とはいえ昨年12月以降はもっぱらsdQHばかり使っていたのだが、まあ大きな違いはないとしてsdQ無印・sdQH双方を含めたインプレッションをまとめる。

_DQH0332
【sd Quattro H, 18-35mm F1.8 DC HSM | Art 013, @35.0 mm F4.0, 1/100sec, ISO100】

 昨年の2月23日、sd Quattroが発表された。その日に書きなぐった記事がこれだ。

sd Quattro / sd Quattro Hが発表された | 五海里
http://illlor2lli.blogspot.jp/2016/02/sd-quattro-sd-quattro-h.html

 当初、OVFが好きな私にはミラーレス化した後継機には非常に否定的だった。今読むとさすがにひどすぎたかと少々反省している。
 CP+でも試作機を試したが、EVFの表示品質の低さとバッファ開放速度の改善の2点に目が行った。

_DQH0327
【sd Quattro H, 18-35mm F1.8 DC HSM | Art 013, @35.0 mm F2.0, 1/200sec, ISO100】

 その後、sd Quattro無印が発売。予約購入。

SIGMA sd Quattro | 五海里
http://illlor2lli.blogspot.jp/2016/07/sigma-sd-quattro.html

 この時点でSD1に比べて非常に快適なカメラだという印象を持った。

 撮影後ほんの1秒程度で確認できるプレビュー、詰まらないバッファと書き込み速度、だいたいのピント位置と色がわかる液晶、画像再生画面の拡大・縮小等レスポンスの良さ、ライブビューでの拡大MF、AWBの正確さ、電池の持ち、長秒露光での電池消費の少なさ。
 どれもSD1に慣れていると感動モノだ。

 また、この記事では挙げていなかったが、何よりもありがたい改善が「AFの正確さ」だった。SD1ではAFで撮影していると精度が低いために非常に歩留まりが悪かったが、sdQになってからはピントを外すということはほぼなくなった。これだけで失敗写真として捨てる割合が激減したのだ。コントラスト式で合わせているので当たり前の話ではあるが、SD1のAFを使っていた身には革命的だった。
 AF速度はこの時点では亀の歩みだったが、動体を撮らない私にはさほど問題になるものでもなく、精度向上の恩恵のほうが大きかった。
 しかしAF面の問題は速度だけではなかった。SGV以前のレンズでのAFが非対応なのだ。
 私の手持ちレンズではほとんどのレンズは問題なかったが、マクロレンズは全てAFが使い物にならなかった(過去形)。
 CP+での試作機で気になった点のひとつであるEVFの表示品質だが、光量が十分でないCP+の会場で短時間試しただけの印象と比較してだが、多少マシにはなった気がする。ただしかなりハッキリとしたコンニャク現象が見られるため、動体を撮る気には全くなれない。

sd Quattro背面液晶のローリングシャッター現象 | 五海里
http://illlor2lli.blogspot.jp/2016/07/sd-quattro_17.html

 遅延も少ないとは言えないレベルだ。
 もう一点のバッファ開放速度だが、こちらも計測して記事にしている。

sd QuattroにおけるSDの速度が与える影響 | 五海里
http://illlor2lli.blogspot.jp/2016/08/sd-quattrosd.html

 こちらもCP+での試作機と比較すると随分と良くなったように思える。 そもそもCP+の時点でSD1より遥かに良かったので、何の不満もない。

_DQH0173
【sd Quattro H, 85mm F1.4 DG HSM | Art 016, @85.0 mm F5.6, 1/640sec, ISO100】

 その後、sd Quattro Hが発売。こちらも予約購入。

SIGMA sd Quattro H | 五海里
http://illlor2lli.blogspot.jp/2016/12/sd-quattro-h.html

 基本的にはsdQ無印よりセンサーが多少大きくなっただけのカメラだ。
 私の個人的意見としては、高精細化よりも広角で撮れることのほうがありがたい。クロップ倍率が無印の1.5から1.33になっている。
 記事内では無印との違いはセンサーサイズのみと書いたが、実はサイズ以外に2点無印より改善がある。AF速度と読み出し速度だ。
 AFに関しては無印の亀の歩みが人の徒歩くらいになった。無論、動体を撮れるレベルではない。また、上にマクロレンズはAF不可と書いたが、sdQHではAFによる合焦が可能になっている。
 読み出し速度の向上では、連射速度が無印の3.6fpsから3.8fpsに微増している。無論、無印だろうがHだろうが連写用途に使える速度ではない。バッファ開放速度自体はデータ量の増加から無印のほうが優秀だった。

sd Quattroとsd Quattro Hの書き込み速度比較 | 五海里
http://illlor2lli.blogspot.jp/2017/04/sd-quattrosd-quattro-h.html

 微々たる変化ではあるがAF速度の向上は嬉しい点だ。

SDQ_0532
【sd Quattro, Art 18-35mm F1.8, @25.0 mm F2.8, 1/100sec, ISO100】

 以上がsdQを使っての印象だ。

 最後に良い点・悪い点をまとめる。


  • 良い点

・AF精度の良さ★★★
 sdQを使っていて一番恩恵を受けたのがここ。
 SD1に比べるとあまりにも、あまりにも快適すぎる。

・バッファ開放速度★★★
 SD1に比べると単写ではバッファの存在を意識することがなくなった。

・AWBの優秀さ★★☆
 AWB、もしくはAWB(色残し)だけでカラー調整を触る必要がほぼなくなった。
 しかしSD1では狂った色を自然な色、目的とする色に合わせる作業自体を楽しんでもいたため、写真を撮るためにカメラを使うのではなくカメラを弄るために写真を撮る人間にはやや物足りなさを感じる。

・色の自然さ★★★
 SD1では赤外線をカットしきれていないためかマゼンタに転ぶことが多かったが、sdQでは自然な色が出る。

・sdQHの大センサー★★★
 所有レンズの多くがDGであり、広角が好きな私にとってはクロップ倍率1.33倍はうれしい。

・液晶の優秀さ★★☆
 優秀というか、あまりにもひどかったSD1に比べて並レベルになってくれた。

・2ダイヤルが2ダイヤルとして使える★☆☆
 SD1の絞り優先で前ダイヤル・後ろダイヤル共にF値の変更が割り当てられているほうがどうかしている。後ろダイヤルが露出補正に使えるようになったため便利になったが、出来て当たり前だ。

・背面に飛び出したファインダー★★★
 鼻が液晶に当たらない。液晶の汚れもなく窮屈さも感じない。

・縦グリップの機能向上★★☆
 SD1のレリーズボタンだけ、ダイヤルすらなくF値を変えることもできない縦グリップから素晴らしい進化を遂げた。とはいえこれもようやく並レベルになったのかもしれないが。
 しかし非煙突式でバッテリーを本体1+縦グリ2の3個を同時に使用できるようになったのは他社に比較しても優れている。できれば3個全てを同時に消費するのではなく、一個ずつ消費する形式であれば最高だった。



  • 悪い点

・SS最高速が1/4000★★★
 SD1では1/8000が切れたのに比べると、このたった1段が辛く感じることが予想以上に多かった。特に晴天時にF1.4レンズを多用することが多い私には1/8000が欲しかった。

・白飛び気味なAE★☆☆
 輝度差が大きいシチュエーションでは、たいてい高輝度部が飛ぶ。sdQを使っている時は常に露出補正を-0.7〜-1.0段掛けっぱなしで使用している。露出補正で問題なく対応できているので大きな問題ではない。

・電子先幕シャッター、電子シャッターがない★★☆
 解像感をウリにするFoveonでこれがないのはお粗末。挙句SFDの7連写をメカシャッターでやらせるのは意味不明。

・SFD使用時、露出補正が不可能な範囲でも何の警告もない★☆☆
 SSの範囲は1/4000〜30秒のため、±3段の露出補正で撮影するには±0段時に1/500〜4秒の範囲でなければ露出補正が不可能になる。例えば±0段でSS8秒の場合、+1段が15秒、+2段が30秒、+3段でも30秒(実質+2段)となり+3段の撮影が不可能になる。
 厳密に調査してはいないが、+側が本来得たい露出よりも暗くなった場合は逆にノイズが増えている印象がある。
 SSが1/500〜4秒から外れた場合は警告を出すべきだ。
【2018/8/13追記】
 ファームアップにより1/500以上の高速シャッターが規制された。なぜか低速側はないようだが……

・グリップ形状★☆☆
 SD1のグリップが優秀過ぎた。あれと比較すると同等以上と評価できるカメラは殆ど無い。
 また、縦グリ非使用時は小指が余る。

・電子ファインダーの品質は高くない★★☆
 遅延、コンニャク現象、像質共に品質が高いとは言えない。動体、特に不規則に動く虫や鳥などを撮るのは不可能と思ったほうがいい。
 まあ、動体を撮るカメラではない。

・AFが遅い★☆☆
 精度を考えればこの程度ストレスにはならない。
 なぜかAF-Cの設定が可能だが、存在意義がわからない。当然動体は撮れない。MFで追うのもファインダーの関係で不可能と思ったほうがいい。
 まあ、動体を撮るカメラではない。

・光軸からオフセットされたファインダー★☆☆
 これはむしろ歓迎されているのかもしれない。右目で覗いたときに光軸が顔の中心に来ること、右手上の縦位置で違和感なく覗ける位置になることを見ると、よく考えられた配置だと思う。
 しかし、MACRO 180mmに2倍テレコンを付けた360mm 2倍マクロで最短付近を撮ろうとすると、自分がどこを覗いているのか全くわからなくなる。たいていファインダー内の景色は意図した位置よりも左側だった。
 光軸上にファインダーがあるSD1ではこのような現象はなかったため、光軸上のファインダーに慣れた人間には極端な条件ではデメリットが現れるのではないかと思う。そして特にメリットを感じたことはない。
 また、私は縦位置を撮る時は残念ながら右手下で撮る。

・絞りプレビューがない★☆☆
 あまり使わないが、ミラーレスで絞りプレビューをする術がないのもどうなのだろうか。


 総じて評価すると、SD1と比較して遥かに快適なカメラに進化している。特にAF精度が素晴らしく、この一点だけで七難隠す。
 発表当初はOVFがないことから不満だらけだったが、実際に使ってみると素晴らしいカメラだった。
 しかしメリットの殆どはLV付き一眼レフでもいいのではないかと思う。LVF-01が装着可能なLV付き一眼レフ、出してくれませんかね。

 SIGMAの純正現像ソフト、SIGMA Photo Pro(以下SPP)。

SIGMA Photo Pro | カメラ製品 | ダウンロード | SIGMA GLOBAL VISION

 従来、FoveonのRAWはほぼこのソフトでしか編集できないと言って過言でなかった。古いFoveonは一部Adobe Camera RAWが対応していたものもあったが、SD1以降ではほぼSPPでしか現像できない。

 現在はsd Quattro Hに追加されたDNG出力によって他社現像ソフトも利用できるようになった。APS-Cのsd Quattro無印も今後のファームアップでDNG出力に対応する予定だ。
 しかし、従来のX3Fに比べてDNG出力には以下のデメリットが存在する。
・X3Fの14bitに比べ、12bitで記録するため階調が落ちる。
・3層構造の情報がない。
・無圧縮のためX3Fよりもファイルサイズが大きい。
・カラーモードで設定できる項目が少ない。
・jpg同時記録ができない。
 DNGはRAWと言っているが、中身はおそらく無圧縮12bitのTIFFであろう。そのため、特にモノクロを使う人には重要だが、3層構造の情報がなくなる。
 Foveonによるモノクロは全画素で輝度情報を得ているだけではなく、RGB各色の比率を変えることでレギュラー・オルソ・パンクロそれぞれをシミュレートするような使い方もできる。また、高感度に弱いFoveonでもB層100%としレギュラーフィルム的に使うならばISO6400でノイズレスな写真を得ることができる。
 他にもX3FならばSPPの機能である「X3 Fill Light」が使用できる。この機能は非常に面白く、私がFoveonを使う理由の何割かはFill Lightを使いたいがためである。
 それでもどうしてもDNGを使いたいのであれば、SPPでTIFF出力すればいい。おそらくDNGと中身は変わらない。
 せっかくFoveonを使うのであれば、DNGではなくX3Fで撮ったほうがカメラの機能をフルに活かせることは間違いない。

 SPPについて世間の評価を見ると遅い・機能が少ないといった点が指摘されており、中にはSIGMAのカメラを使う上でこの現像ソフトを使わなければいけないことが最大の苦痛だと評するレビューも存在する。
 しかしその評価のうち速さに関しては、現行のSPP6.5ではだいぶ改善されている。
 6.5からはGPUが使用でき、またMac版では64bitに対応した。
 このうちGPU支援は私の環境では使用できなかったが、64bit化では明らかに速度の向上を体感できた。
 また、6.5.0のリリース日から推測するにGPU周りの機能はこれから改良があると予想している。

 以上から、これから購入を考えている人にはぜひDNGではなくX3FでFoveonを楽しんでほしいと思っている。
 そこで、SPPの使い勝手が気になる人のためにFoveonのRAWファイルを用意した。
 SPP自体は誰でも無料でダウンロードできるので、Foveonの現像を体験してみてほしい。

SD1 MerrillのRAW(6枚 310MB zip圧縮)
sd QuattroのRAW(4枚 213MB zip圧縮)
sd Quattro HのRAW(7枚 368MB zip圧縮)
sd Quattro HのSFD(1枚 517MB X3Iファイル)

 このRAWは出典を示して貰えれば現像結果を公開しても構わない。

 詳細な使い方に関してはヘルプを見れば全て載っている。
 一つだけ、ぜひ体験して欲しい機能が上にも挙げたX3 Fill Lightだ。
 以下にサンプルを載せる。

オールリセット

Fill Light+1.0, 露出-0.4, コントラスト+0.3

Fill Light-1.0, 露出+0.4, コントラスト±0

オールリセット

Fill Light +1.0, 露出-1.0, コントラスト±0

Fill Light -1.0, 露出+1.0, コントラスト±0

 最初の写真ではフレアの影響で暗所の色がFill Lightプラスでは転んでいるが、概ね傾向は見えるのではないだろうか。
 Fill Lightをプラスに振るとHDRっぽくなり、マイナスに振ると光が当たっている部分のみ強調されアウトフォーカス部の描写が滑らかになる。
 1枚目はマイナス側に振ったほうが映える写真だが、2枚目のようなパンフォーカスの風景では好みもあるがプラス側に振るほうが見栄えがよくなる。
 これはぜひ自分でパラメータをいじって体験してみてほしい。

 こうした現像ソフトの機能に関してはあまり語られることがないため、ユーザー以外はどんなパラメータがあるのか知る術が殆ど無い。SIGMAはせっかく誰でもダウンロードできる現像ソフトを公開しているのだから、RAWのサンプルも配布すればいいのに。

 sd Quattroの上位互換。
 それだけで説明が終わってしまう。
 35mm判に対するAPS-Cが「写るテレコン」なら、こちらはさしずめ「写るワイコン」。
 無印より劣るところはバッファ。12枚だったのが8枚になる。そしてそれはDCクロップ時も変わらない。
 とは言え、SD1のバッファに慣れている身には大した問題ではない。
 連射速度はHのほうが多少速いが、どちらも大差なく遅いので安心してほしい。
 今sd Quattroを購入したいと思うならば、Hを買っておいたほうがいいだろう。画素ピッチは無印もHも同じなので、DCクロップで得られる画素数は無印と全く一緒である。

 以下作例。

_DQH0076
【sd Quattro H, 85mm F1.4 DG HSM | Art 016, @85.0 mm F8.0, 1/4000sec, ISO100】

_DQH0080
【sd Quattro H, 85mm F1.4 DG HSM | Art 016, @85.0 mm F4.0, 1/2500sec, ISO100】

_DQH0101
【sd Quattro H, 35mm F1.4 DG HSM | Art 012, @35.0 mm F2.8, 1/4000sec, ISO100】

_DQH0115
【sd Quattro H, 85mm F1.4 DG HSM | Art 016, @85.0 mm F4.0, 1/1000sec, ISO100】

_DQH0123
【sd Quattro H, 35mm F1.4 DG HSM | Art 012, @35.0 mm F4.0, 1/1600sec, ISO100】

_DQH0129
【sd Quattro H, 85mm F1.4 DG HSM | Art 016, @85.0 mm F2.8, 1/3200sec, ISO100】

_DQH0139
【SFD】

_DQH0153
【SFD】

_DQH0156
【SFD】

 最初の方は設定を間違えてRAWのLOWで撮っていた。
 後ろの方はSFD。SPP6.5になって動体補正が付き、多少のブレなら目立たなくなった。

 正直なところ、センサーが大きくなっただけで基本的にはsdQと同じカメラなので特に書くこともない。
 DNG出力やテザー撮影でのLVなど新機能もあるが、遠からず無印でもファームウェアで対応する。
 35mm判換算倍率は公式には1.3倍と謳われているが、正確には1.35倍と言ったほうが正しい。しかしEXIFには1.33倍の数字が書き込まれていた。どこから1.33が出てきたのだろう。

 DCレンズのAPS-H対応状況だが、とりあえず手持ちのDCレンズのうちすぐ試せる18-35と50-100で試した。

18-35mm @18mm フードあり

18-35mm @18mm フードなし

18-35mm @35mm フードあり

50-100mm @50mm フードあり

50-100mm @100mm フードあり

 なお、全て開放だ。18-35のテレ端のみまずまず使えそうだが、ワイ端はケラれている。50-100は周辺減光に隠れているが隅は絞ってもケラれる。
 素直にDCクロップで使ったほうがいいだろう。

 正直に言うと前日に公開されたSIGMA Photo Pro 6.5のMac版64bit対応とGPU支援のほうがわくわくして楽しみだった。
 64bit化の恩恵は素晴らしく、今回の現像もサクサクこなすことができた。
 しかし私のMacbook ProではGPUはエラーを吐いたため、GPU支援の効果はわからない。
 SIGMAさん、無印のファームウェアよりSPPのアップデートのほうを先にしてくれないかなぁ。私もGPUの恩恵を受けたい。

 ちなみに、このカメラに興味を持つ殆どの人には言われるまでもないことだろうが、このカメラは万人に勧められるものではない。
 感度は上げられないし、AFは(今のファームウェアでは)非常に遅いし、EVFの品質も褒められたものではない。過去記事でsdQの性能に感動したところを挙げているが、他社カメラを使っている人にとっては「え、いまどきそんな程度のことに感動するの?」と思うだろう。
 今まではSIGMAのカメラに手を出そうという人はその程度のことは全て承知の限られた人が殆どだった。しかし値段の低さと(SIGMAのカメラとしては)大幅に向上した使い勝手のおかげでユーザーは増えているようだ。
 喜ばしいことではある。しかし、数多あるデメリットをちゃんとわかった上で買うのだろうか? AFの遅さに耐えられるか? SGV以前の、特にマクロレンズでまともにAFできないことをわかっているか? 軽くないボディとレンズを持ち運べるか? 暗所の手持ち撮影を諦められるか? 三脚を持ち運ぶ覚悟があるか? それらをひっくり返してでもFoveonの写りがほしいか?
 そのあたりを認識せず買うのは不幸しか呼ばない。
 メイン機材として購入を検討しているならばこのあたりは十分承知した上で買うべきだ。サブで買うならば非常におもしろい選択だと思う。

 ようやく出てくれた、Artの85mm。当然予約購入。


 外観はピントリングの幅が広い。そして距離指標に無限遠の線がない。
 無限遠の線はArt 20mmあたりの頃から完全に廃止されてしまったようだ。個人的には残念。


 解像力チェックだが、多分開放のAPS-C隅でも点光源は点像にしか写らないと思うのでやってすらいない。根拠はMTF曲線とLensTipのレビュー。
 LensTipでは解像力のピークがなんと、F2.8になっている(35mm判隅のみF4)。このピークのF値は開放に近いほど収差が少ないことを意味している。
 一般的な写真レンズでF2.8がピークになるというのは驚きの性能だ。

 また、この85mmと12-24mmからArtレンズに簡易防塵防滴が加わった。これはマウント部にゴムのシーリングが加わっただけで、ピントリングなどにはシーリングはない。


 しかしこのシーリング、赤丸で囲った部分で切れているのがわかるだろうか。全周の1/4弱にシーリングがない。
 果たして実際の防防性能はどうなのだろうか? あまり期待出来なさそうに思える。

 2017/1/26追記
 SAマウントにはシーリングはないとのこと。上に挙げたものはシーリングではない。

 購入後、USB DOCKでフルタイムMFの設定を変更し早速試写してきた。
 では作例。

_SDI1805
【SIGMA SD1 Merrill, Art 85mm F1.4, @85.0 mm F1.4, 1/60sec, ISO100, 0EV】

_SDI1814
【SIGMA SD1 Merrill, Art 85mm F1.4, @85.0 mm F1.4, 1/80sec, ISO100, 0EV】

_SDI1816
【SIGMA SD1 Merrill, Art 85mm F1.4, @85.0 mm F1.4, 1/30sec, ISO100, 0EV】

_SDI1869
【SIGMA SD1 Merrill, Art 85mm F1.4, @85.0 mm F2.8, 1/500sec, ISO100, 0EV】

SDQ_0115
【sd Quattro, Art 85mm F1.4, @85.0 mm F4.0, 1/2500sec, ISO100】

SDQ_0136
【sd Quattro, Art 85mm F1.4, @85.0 mm F5.6, 1/400sec, ISO100】

SDQ_0141
【sd Quattro, Art 85mm F1.4, @85.0 mm F2.8, 1/320sec, ISO100】

SDQ_0152
【sd Quattro, Art 85mm F1.4, @85.0 mm F2.0, 1/400sec, ISO100】

SDQ_0140
【sd Quattro, Art 85mm F1.4, @85.0 mm F2.8, 1/250sec, ISO100】

SDQ_0165
【sd Quattro, Art 85mm F1.4, @85.0 mm F2.0, 1/500sec, ISO100】

 開放では軸上色収差が見て取れるが、F2まで絞れば問題ない。
 解像力は開放から素晴らしい。絞りは被写界深度のコントロールだけに使うものとして考えて問題ない。
 ボケは撮影距離にもよるが、前ボケのほうがやや柔らかいかもしれない。とはいえ後ボケにも目立った二線ボケは認められない。
 逆光耐性は微妙。太陽がフレーム内に入るような過酷なシチュエーションでは画面全体に緑色のフレアが出た。しかしこの緑はFoveon特有の問題なのかもしれない。下はド逆光の参考。


 重さ大きさは、たしかに大きいのだろうが50-100/1.8に慣れた身としては特に重いとは感じなかった。

 全体的には弱点が少ないレンズだが、惜しむらくは私が85mm = 換算127.5mmという焦点距離に慣れておらず使いにくかったことだ。レンズの問題とは全く関係ない話だが。

 SIGMAにはSGV以降のレンズを他社マウントへ交換するサービスを行っている。
 今回、120-300mmのFマウントを購入し、SAマウントへ交換した。

 交換の手順は
・SIGMAにレンズと交換先マウントを明記したメモを送る。
・SIGMAから確認の電話を受ける。
・約2週間後、レンズ発送の連絡を受ける。
・受け取り時、交換費用を代引きで支払う。
 となる。

 SIGMAのページにはメモと一緒にレンズを送れ、としか書いていないためいきなり送りつけていいものか迷ったが、どうやらいきなりで大丈夫なようだ。
 メモには交換先のマウントを書くとしかないが、返送先住所や連絡先くらいは書いておくべきだろう。

 レンズを送った後、交換先マウントと料金についての確認の電話がかかってくる。この電話を受けてから作業に入るので、知らない番号だからと放置していたらいつまでたってもレンズが帰ってこないことになるだろう。
 料金に関してはSIGMAのページに一覧表がある。

マウント交換サービス対象機種のご案内|株式会社シグマ
https://www.sigma-photo.co.jp/support/mcs/list.html

 また、保証期間内であれば保証書と同時に送ることで送料着払いでもいいとのこと。
 私は中古に保証書がなかったため元払いで送った。また、返送時の送料は保証期間に関わらずSIGMAが負担してくれる。

 レンズ発送前にまたSIGMAから発送連絡の電話がかかってくる。この時も再度料金についての確認を行った。

 あとは到着時に代引きで交換費用を支払えば終わりだ。サンニッパズームの場合は25,714円だった。

 このマウント交換サービス、実はどこにも書いていないがちょっとしたオマケがある。
 返送時にレンズ以外に同梱されているものには6ヶ月保証書の入った封筒と交換前に装着していたレンズリアキャップがあるのだが、それ以外にクリーニングクロスが付属する。


 このクリーニングクロスは非売品のため、マニアには嬉しい。
 他に修理に送った場合などももらえるようだ。SGV以前は臙脂色のクロスだったようなので、それも欲しかったが今では手にはいらないだろう。