28mm F1.4 DG HSM | Art


 SIGMAのArtレンズ最新作、28mmを入手。
 外観はいつもと変わらないArtレンズだ。2018年のフォトキナ発表分より追加されたロック付きフードはこのレンズにもついている。今後標準となるのだろう。


 28mmという焦点距離だが、これは35mm判でもAPS-Cでも有用な焦点距離だ。
 35mm判では多くのスマートフォンと同じ焦点距離となり、現代で最も使われるカメラと同じ感覚で撮影できる。
 APS-Cでは換算42mmとなり、撮像面の対角線の長さとほぼ等しい。PENTAXのFA43mmと同じ思想の標準レンズとして運用できる。前回40mmの記事にも記載したが、50mmという焦点距離を標準としては長いと感じる人にとっては便利な焦点距離となる。
 とはいえsdQHでは換算37mmになるため、35mm単焦点代わりになるのだが。

 大きさはArtレンズとしては標準的だろう。例によって世間一般的には大きく重いと言われるのだろうが、105mmや40mmと比べれば小さく軽い。

 以下、作例。

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【sd Quattro H, 28mm F1.4 DG HSM | Art 019, @28.0 mm F1.4, 1/1600sec, ISO100】

_DQH1041
【sd Quattro H, 28mm F1.4 DG HSM | Art 019, @28.0 mm F1.4, 1/4000sec, ISO100】

_DQH1045
【sd Quattro H, 28mm F1.4 DG HSM | Art 019, @28.0 mm F1.4, 1/1250sec, ISO100】

_DQH1044
【sd Quattro H, 28mm F1.4 DG HSM | Art 019, @28.0 mm F1.4, 1/800sec, ISO100】

_DQH1049
【sd Quattro H, 28mm F1.4 DG HSM | Art 019, @28.0 mm F1.4, 1/2500sec, ISO100】

_DQH1053
【sd Quattro H, 28mm F1.4 DG HSM | Art 019, @28.0 mm F1.4, 1/640sec, ISO100】

_DQH1043
【sd Quattro H, 28mm F1.4 DG HSM | Art 019, @28.0 mm F1.4, 1/400sec, ISO100】

 作例は全てF1.4開放だ。写りはさすが最近のArt単焦点と言える。MTFではメリディオナルよりもサジタルがわずかに落ちているが、これも105mmや40mmと同じ思想でほんの僅か絞ったときに改善しやすい収差を残すバランス取りの結果と思われる。
 ピント面の描写はさすがのArtだ。しかし軸上色収差が目立ちやすいFoveonセンサではボケに緑の色付きが見られる。とは言え等倍で確認しなければそこまで目立ちはしない。雪景色という最悪に近い条件でこれならば優秀だろう。また、ベイヤーならばここまで軸上色収差は目立ってこないはずだ。
 逆光耐性は14mmには全く敵わないものの、SIGMAのレンズとしてはいい方だと思われる。Foveonでは逆光時に緑色のフレアが発生するのだが、その量が他のレンズに比べると少ない印象だ。5枚目の写真は左上にフレアが出ているが、これはSPPのフリンジ除去で緑色を消している。フリンジ除去をしなかった場合は下の写真となる。


 まあ、緑フレアの発生量が少ないことはいいことではあるが、どれだけ少なかろうが緑フレアが発生する時点で見苦しいためFoveon使いには関係ないかもしれない。この写真のように他に緑色の要素がない場合はSPPでもどうにかできるが、そうでない場合に補正しようとするならばPhotoshopなどを使用するしかないだろう。あとはあえて言うならばボケの描写は105mmや40mmと比べて今ひとつだろうか。
 悪い部分ばかり述べたが、他の解像力などはそつなく高いレベルとなっている。28mmのレンズが欲しい場合はいい選択肢となるだろう。

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