500mm F4 DG OS HSM | Sports


 SIGMAのSportsラインフラグシップ、ゴーヨンを入手。私の所有レンズの中で最長の焦点距離、最大の入射瞳径のレンズだ。


 このレンズの特徴の一つは、SIGMA製レンズの中で唯一レンズ側に(切り替えスイッチではなく)ボタンがあることだ。レンズ先端側にあるボタンでAF-ON、AFL、フォーカスプリセットを使用できる。動き物を撮らない私は活用することはなさそうだ。


 また、レンズフロントキャップが一般的な超望遠と同じく布のかぶせ式になっている。この点は致し方ないが、脱着が面倒であり使い勝手は良くない。そう考えると120-300mmの105mmキャップは超望遠の入り口である300/2.8でも利便性を失わない便利な装備だった。キヤノン、ニコンは300/2.8でも布のかぶせ式となっている。まあ、300÷2.8の計算結果を考えると105mmのフィルタ径は良いことばかりでもないのだが。


 閑話休題、このレンズが間違いなく世界一と言いきれる点が一つある。三脚座である。50-100mmを持っている方ならわかるが、三脚座の回転に適度なトルク感がある。ピントリングやズームリングのトルク感は気にする人も多くメーカもこだわっている部分だが、三脚座にまでトルク感を持たせているメーカはなかなかない。更に縦位置横位置の切り替えを簡単正確にするために90度刻みのクリック感があり、のみならず一脚で流し撮りをする際にそのクリック感が邪魔になることがあるという声からクリック感のON-OFF切り替えまで装備している。一般的な三脚座はレンズを支えて角度が変えられればそれでよいというレベルで終わっているが、SIGMAはそこからひとつふたつ進んだ次元の三脚座を作り上げた。
 前述の通りスチル用レンズでもピントリング・ズームリングのトルク感を気にする人は多い。ならば三脚座でも同様に評価されることは考えてみれば当たり前だ。この三脚座は現在存在するレンズの中では確実に世界最高のものである。


 一つ辛いのが、アクセサリー類の値段だ。フロントプロテクターは専用品となり、定価54,000円。PLフィルタは専用のドロップインタイプが別売りで定価48,600円。三脚座をアルカスイス互換に換装するレンズフットは定価30240円。これらを一式揃えたらかなり良いレンズが買えてしまう。フロントプロテクターは専用のレンズキャップが付属するため使い勝手が向上するだろうし、PLも欲しくはあるし、レンズフットも全てアルカ互換で統一している身としてはあったほうが便利だが、流石にポンと買える値段ではない。数が出ないだろうから仕方がない値段なのだろうが……


 使い勝手の面では、やはり3310gは重い。105mm F1.4を特に重いと思わない私でも流石にこれは重い。しかし120-300mmより80g軽いのだ。更に重心位置を考慮すると120-300mmよりも多少扱いやすい。絶対的には確かに重いのだが、120-300mmよりはまだマシなレベルだった。

 以下、作例。

_DQH0932
【sd Quattro H, 500mm F4 DG OS HSM | Sports 016, @500.0 mm F4.0, 1/1250sec, ISO100】

_DQH0933
【sd Quattro H, 500mm F4 DG OS HSM | Sports 016, @500.0 mm F4.0, 1/320sec, ISO100】

_DQH0984
【sd Quattro H, 500mm F4 DG OS HSM | Sports 016, @500.0 mm F4.0, 1/80sec, ISO100】

_DQH0990
【sd Quattro H, 500mm F4 DG OS HSM | Sports 016, @500.0 mm F4.0, 1/125sec, ISO100】

_DQH0996
【sd Quattro H, 500mm F4 DG OS HSM | Sports 016, @500.0 mm F4.0, 1/100sec, ISO100】

_DQH0998
【sd Quattro H, 500mm F4 DG OS HSM | Sports 016, @500.0 mm F4.0, 1/100sec, ISO100】

 使ってみた感想としては、やはり重い。そして被写界深度が薄い。更にはかなりの大きさのため、このレンズが入るカメラバッグがない。持ち運びに難儀する。
 この被写界深度のおかげでピンズレにより歩留まりが悪い。手持ちのsdQHで使うにあたってはAF動作中に手ブレしているとAFの合焦率が著しく低く、そのためほとんどMFで撮影していた。
 画角と重さによって手持ちではどうしても手ブレが発生するが、補正が優秀なためか1/100ではほとんどブレは見られなかった。
 写真はすべて開放だが、ピント面の解像力に関しては文句のない描写をしている。さすが「MTF直線」だ。
 ボケに関しては後ボケは癖が少ないが、前ボケはややうるさく感じる。また、最後のバッタの写真を見ると開放では口径食があるためにグルグルボケ気味になっている。
 とはいえ総合的な描写としては大きな欠点はなく優秀だ。

 さて、このレンズ購入したはいいが、私はもともとここまでの望遠は殆ど使わないのだ。何を撮るか、どこに持っていくか悩む……

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