SD1 Merrill ISO6400 RAW内jpg

 Foveonは高感度に弱い。常識である。
 しかし、ことモノクロにおいてはそうとも言いきれないのだ。

 トップの写真はSD1 Merrillで適当にカラフルなものをISO6400で撮った際のRAW内埋め込みjpgである。写真というより現代アート、カメラというよりノイズ生成器だ。見るに堪えない。
 500*500切り出しが以下。

SD1 Merrill ISO6400 切り出し

 X3FをSPPで現像するといくらかマシにはなる。具体的にはノイズの塊が油絵に進化する。

SD1 Merrill ISO6400 SPP現像 パラメータ全リセット・ノイズリダクション真ん中

同上切り出し

 ちなみにISO100では下のようになる。何の問題もない。(ピントは追い込んでいない)

SD1 Merrill ISO100(参考)

 これはsd Quattroでも同じ傾向だ。QuattroではMerrillよりいっそう色が死ぬ。

sd Quattro ISO6400 RAW内jpg

同上切り出し

sd Quattro ISO6400 SPP現像 パラメータ全リセット・ノイズリダクション真ん中

同上切り出し

sd Quattro ISO100(参考)

 さて、この現代アートだが、SPPのモノクロモードで現像するとそこまで悪いものではなくなる。酷い有様である原因は主に色ノイズだ。しかしモノクロでは色ノイズは関係なくなり、輝度ノイズのみが問題となる。そして輝度ノイズのみを見ると、ちょうどフィルムグレインのような効果をもたらしてくれる。

SD1 Merrill ISO6400 SPPモノクロ現像パラメータ全リセット・ノイズリダクション真ん中

同上切り出し

 さすがに最高感度のISO6400かつノイズリダクション真ん中ではノイズが多いが、カラーと見比べるとFoveonでも高感度が実用域として見える。

 また、フィルムグレイン的なノイズも許容できない人にも選択肢がある。
 SPPではモノクロ現像時、RGBの割合を変更できる。そこでBを100%とすればISO6400でもかなりノイズの少ない画像が得られるのだ。

SD1 Merrill ISO6400 モノクロ現像B100%

同上切り出し

 さすがにFoveon特有の解像感は失われるが、用途によっては十分ではないだろうか。また、この現像もノイズリダクションは真ん中なので解像感・ノイズはある程度調整が効く。
 Foveonの3層構造は、上から主に青色を感知するトップ層、主に緑色を感知するミドル層、赤色を感知するボトム層となっているため、入射する光全てを受け止めるトップ層はS/N比に優れているのだ。

 ただし、当然ながら青色だけでは判別できない色は消えてしまう。

ISO100

ISO6400 B100%

 また、Foveonでモノクロを撮影する場合には2つの大きな利点がある。

1. 全画素で輝度情報を得られる。
 現代のほぼすべての撮像素子はベイヤー形式、もしくはX-Trans CMOSであるが、これらの撮像素子は輝度情報を緑画素でしか得ていない。緑画素は全体の50%しかなく、ほかの画素はモノクロにおいてはほぼ役立たずとなっている。
 Foveon以外で全画素で輝度情報を取得できるカメラはライカM Monochromeくらいしかない。これはカラーも撮れるFoveonに比べてモノクロ専用で、ボディのみで約100万円だ。

2. RGB各色の情報を得られる。
 ライカM Monochromeは本当に輝度情報しか得られない。
 対してFoveonの場合はトップ層・ミドル層・ボトム層それぞれで色情報も得ている。
 これによって青のみに感光するレギュラーフィルム、青と緑に感光するオルソフィルム、すべての光に感光するパンクロフィルムをそれぞれシミュレートするような使い方が可能だ。
 通常のベイヤー撮像素子でもレギュラーやオルソのシミュレートは可能だが、前述の通り輝度情報を全体の50%でしか得ていない。
 全画素で輝度情報と色情報を得ることができる撮像素子はFoveonだけである。

 以上から、モノクロ写真を撮るデジタルカメラとしてはFoveonこそが最高の選択肢である。モノクロに興味のある方はFoveonを試してみてはいかがだろうか。

 走る四輪カメラバッグであるデミオXDを購入してしばらく経ち、一通りやりたかったことが終わったのでまとめてみる。取り付け中の写真は基本的に撮っていないので取り付け後のみ。

リボルト・プロコーティング
 硬化型ガラスコーティング。濃度25%のものを購入し自分でコーティングしたが特にムラなども目立つことなく施工できた。施工時にはメンテナンス剤も必須。
 一度施工すれば、洗車時に今流行りのスプレータイプのメンテナンス剤を吹き付けるだけなので楽。施工後半年以上経っているが、定期的にメンテナンス剤を使用しているためか撥水は落ちていない。傷や雨ジミなども付いてないので優秀なのではないだろうか。


 霧吹きを吹いてもちゃんと撥水してくれる。
 こうした硬化型を謳う製品には怪しげなものも多いが、この製品はガラス瓶の口に付いたコーティング剤がパリパリに固まっていたためちゃんと効果はありそうだ。
 ただし初回施工時は数日間雨に濡らしてはいけないため、青空駐車では施工しにくい。

車速ロック
 デミオの車速ロックは2種類販売されているが、私が買ったスピードロックマンはOBD端子を使用しないタイプとなる。
 純正配線を2箇所切断する必要があるが、その箇所はギボシ接続となるため純正復旧も可能ではある。内張りを剥がしたりギボシのカシメが必要だったりと手間がかかり工具も必須。私は宗教上の理由でエレクトロタップはすべて切り落としスプライス端子で接続したが、工具が入りにくい箇所もあったため面倒だった。
 コントローラ部はエアコン内側に両面テープで設置することで表側には配線等は一切現れない。今のところ振動でビビり音が出るようなこともなく、何の問題もなく使用できている。

・ドアヒンジ・ストライカーカバー
 はめ込むだけ。Amazonの購入履歴を見るまで付けていたことを忘れていたくらいの存在感。

・ウィンカー・バックランプ・ナンバー灯LED化
 全てフィリップスのLEDを使用した。バックランプ・ナンバー灯はただ差し替えて極性を確認するだけなので問題ないが、ウィンカーは消費電力が大きく変わるため球切れ誤認による高速点滅(ハイフラ)対策が必要となる。
 デミオは電子リレーのためリレー交換による対策が不可能、かつハイフラバスターなどのハイフラ対策品は不具合の評判をよく見かけたので、スタンダードに抵抗を噛ませた。抵抗もフィリップスのものを使用した。
 抵抗でもエレクトロタップは切り落としてスプライス端子で接続したが、フロント側ではタイヤハウスから配線を引っ張り出して狭い場所で作業することになるので苦行だった。



 ウィンカーは取り付けによってステルス化する。フロント側はわかりやすいが、リアは非常にわかりにくい。

ルームランプLED化
 YOURSのルームランプを使用。
 リアルームランプだけ不満がある。一つの基板に18個のLEDが付いているのだが、色温度が高いものと低いものが交互に配置されているようで、点灯時にハッキリと色のムラが見える。リアルームランプだけ他社のものに交換したくなる。


 この色ムラがLEDによるものだ。シートが変色しているのではない。

風切音低減フィンセット
 多少音が減ったような……気もする。



 ピラーに取り付けるものは結構目立つので嫌う人も多いかもしれない。
 デメリットとしては洗車時に邪魔になる。

RE雨宮 ターボホース
 バッテリを外す必要があったため自力での取り付けは断念、ディーラーに依頼した。
 交換後は明らかに加速が良くなった。また、燃費も良くなったようで長野〜茨城間で高速を使うと高低差の影響も相まって30km/l(ディーゼルAT)を達成することも珍しくなくなった。

RE雨宮 シリコンパイプ
 後述のエアクリと同時交換のため、これ単体での効果は不明。たぶんほぼ意味はない。
 付属のホースバンドは一次側でボルト長さが足りなくなるので、M6×50のボルトを追加購入したほうがいい。

K&N エアクリーナー
 交換自体はエアクリボックスを開け、純正品を外してポン付けするだけなので楽ちん。
 効果の程は絶大だった。まるで車が軽くなったように感じる。
 しかしターボの効きが良くなったからかと思うが、ドッカンターボ気味になった。

ブースト計 DPB-M
 OBDコネクタからブースト圧・水温・バッテリ電圧・油温を取得できるメータ。
 ターボ前後のパイプとエアクリを交換してから取り付けたのだが、i-DMの青が点灯するレベルの踏み込みでも最大で1.8×100kPa近くまで過給圧がかかっていた。純正状態でどこまでいくのかは不明だが、ネット上では1.6程度と書かれていた。


 配線に頭を悩ませたが、コントローラを写真の赤丸部分に貼り付け、配線はビニールテープでまとめたところスッキリと収納できた。写真はステアリングコラムカバーを取り外した状態。オレンジの配線は車速ロックのもの。


 ブースト計本体からの配線はメータフードを取り外し、そのスキマに通した。フードは無加工でも問題なく取り付けができた。これによって配線はほぼ見えなくなった。
 取付箇所はメーカの宣伝写真にある通りメータフードの右側だ。別に逐一チェックするようなものでもないので、この位置が一番邪魔にならないと判断した。普段の運転姿勢では0〜0.5あたりがハンドルに隠れて見えなくなるが、特に問題はない。
 取り付け後に気づいたが、夜間はメータのイルミネーションがフロントガラスに映り込む。この位置ならば写り込みはフロントガラス右上の端になり、邪魔にはならない。

 また、ステアリングコラムカバーを取り外したついでにトヨタの提唱するアルミテープ貼り付けをしてみたが、まあ、よくわからなかったです。

REWITEC
 エンジンオイルに混ぜる添加剤。ケイ素系化合物の微粒子が凹凸を埋めて摩擦を低減するらしい。
 半信半疑だったが入れてすぐ効果を感じた。明らかに回転が滑らかになり、振動が減り、エンジンブレーキが弱くなっている。なぜかドッカンターボ気味だったのもマイルドになった。燃費も良くなったような気がする。
 しかし、ターボのドッカン具合がなくなったおかげで加速が弱くなったような感覚を覚えてしまった。実際はそんなことはないはずだが。

 覚えている限りは以上のようなところだ。吸気側を色々いじっていて排気を全く触っていないが、DPFが付いているディーゼルでマフラーを触ってもさほど意味がなさそうだし、下手に低速トルクが痩せたり音がうるさくなったりしても嫌なので改造する気はない。
 一通りやりたいことが終わったが、気が向いたらAutoExeのサイドバイザーを付けるかもしれない。
 この中でおすすめなのはRE雨宮のターボホースとREWITECだ。この2つは乗り心地を明らかに変化させてくれる。
 エアクリ交換も劇的な変化をもたらしてはくれるが、ダスト除去効率が落ちるため万人には勧められないかもれない。
 数日前、twitterのSIGMAクラスタでSIGMA Photo ProのGPU高速化を行った際に出力が変わるという話題が出た。
 試したところ私の環境でも差が出たので記録しておく。
 検証は話題になったときのSPP6.5.3ではなく、最新の6.5.4を使用している。

・環境
SIGMA Photo Pro Ver:6.5.4
PC:MacBook Pro (Retina, 15-inch, Late 2013)
GPU:Intel Iris Pro
GPUドライバVer:1.2

・サンプル写真
【sd Quattro H, 135mm F1.8 DG HSM | Art 017, @135.0 mm F1.8, 1/800sec, ISO100】

・現像設定
全パラメータ0、ディティールスライダー真ん中、ノイズリダクション真ん中、16bit TIFFに出力。

・合焦部切り出し(400*400)
GPUなし

GPUあり

・上部分の差の絶対値(レベル調整0-255 → 0-10)

 見ての通り差は出た。出たが、レベル調整をしてようやく認識できるレベルだ。等倍切り出し画像を見ても、両方を見比べてようやくごくごく僅かに違いがあることに気付くレベルだ。GPUなしのほうがほんの少しだけシャープに見える。
 差の絶対値の色に着目すると、元の写真で緑色しかないような部分では僅かに緑色もあるが、概ね灰色だ。ヒストグラムも各色の山に大きな差異はない。このことでGPUによる差は色への影響が少なく、ほぼ輝度への影響であることがわかる。

 また、主に輪郭線部分で差が出ているようなので、5pxのガウスぼかしをかけた状態での差の絶対値も作ってみた。

・ぼかし後差の絶対値(レベル調整0-255 → 0-10)

 見ての通りほぼ差はなくなった。真っ黒なだけに見えるが、ほんの少しだけ差は出ている。
 この結果からGPUの影響は
・シャープネスへのものが大きい
・シャープネス以外の影響は1ピクセル単位の微小な点でのものである
 ということがわかる。

 私の環境での結果では、この程度の差は考慮する意味なしだ。
 そもそも差の絶対値を見るまでもなくGPUありなしを比べれば差異はほぼなしとしていいだろう。

 しかし、twitterでは環境によってノイズリダクションの程度が変わりノイズが増えるという報告もある。この差異は環境しだいで変わる可能性があるので、自分のPCで一度確かめてみるべきかもしれない。
 sdQ無印・sdQHには電子シャッター及び電子先幕シャッターが搭載されていない。つまりシャッターショックは避けられない。この仕様により僅かに解像感を損なう可能性がある。
 そのシャッターショックだが、実際に使用していてSD1よりもだいぶ大きいような気がしていた。そこでsdQHのシャッターショックの大きさを定量的に測定してみた。

  • 測定方法
・レンズは120-300mm F2.8 Sports + TC-2001を使用し、焦点距離は300mm(テレコンで600mm)に固定する。
・三脚はVANGUARD VEO265CBを使用し、レンズの三脚座にPeak DesignのStandard Plateを取り付け三脚と固定する。
・三脚は脚及びエレベータを全て伸ばした状態とする。
・撮影条件はF5.6開放・ISO100でシャッタースピードを1秒とする。
・被写体は星とし、sdQHの拡大LVでピントを合わせた後固定する。
・SD1、SD1ミラーアップ、sdQHの3種類で3枚ずつ撮影する。
・撮影後の写真を閾値128で2値化し、星の最も幅の大きい箇所の縦幅[pixel]を記録する。
・SD1とsdQHでは画素ピッチが違うため、画素ピッチから像面での縦幅[μm]を算出し評価する。

  • 撮影写真

SD1
SD1ミラーアップ

sdQH



  • 2値化後
SD1

SD1ミラーアップ

sdQH



  • 結果

結果として、ショックの大きさはsdQH>SD1>SD1ミラーアップとなった。
 シャッターショックを嫌うような撮影ではSD1のミラーアップを使用するのが最も良く、ミラーアップしなかったとしてもsdQHよりはショックが少ないようだ。
 この実験方法ではSD1とsdQHのフランジバックの誤差によるピントずれの影響が考えられる。とはいえ横幅で同じ計算をするとSD1もsdQHも同じになるので影響は大きくはないはずだ。
 sdQ発表時にミラーレス化したことへの理由のひとつにメカショックの少なさを挙げていたはずだが……このブログでも再三言っているように、SFDをこのメカシャッターでやらせるのもやはり無理があるのではないだろうか。

 大口径超広角レンズ、14mm F1.8が発売された。

 現在、所有している広角レンズとしては
・8-16mm F4.5-5.6 DC
・18-35mm F1.8 DC
・20mm F1.4 DG
・14mm F1.8 DG
 あたりが選択肢としてある。(12-24mm F4は持っていない)
 これらをsdQHで使用するとしてDCで1.5倍、DGで1.33倍の換算倍率をかけると、
・8-16mm → 12mm
・18-35mm → 27mm
・20mm → 26.6mm
・14mm → 18.62mm
 となる。このうち8-16mmはSGV以前のレンズで、sdQ系統でAFは公式には非対応であること、周辺に像の流れがあること、F4.5-5.6と暗いこと、暗いゆえに絞っての改善がしにくいことから次点。
 他のレンズは「超広角」と呼べる焦点距離ではない。
 描写性能・明るさを加味すると、超広角としての選択肢はこの14mmだけと言っていいだろう。

 使ってみての感想だが、まず解像力は素晴らしい。
 さらにかなり寄ることができる。最大撮影倍率自体は1:9.8と低いが、最短撮影距離は27cmとなっている。ワーキングディスタンスで考えると約10cmほどだ。前玉が当たりそうなくらい寄ることができる。
 また、私が所有しているSIGMAのレンズの中でも逆光耐性は指折りの性能だ。85mmや120-300mmなんかは逆光で緑色のフレアが画面を覆い尽くしたが、14mmでは小さなゴーストしか確認できなかった。太陽をフレームに入れてもへっちゃらだ。

 描写性能以外の面では、久々にレンズを重いと感じた。重量自体は85mmや135mmよりも10g軽いくらいなのだが、それらに比べて大きさがさほどでもないので密度感がすごい。
 超広角の特徴とも言える突出した前玉だが、真横から見ると固定式フードよりも飛び出ている。ふとしたときに触ったりぶつけたりしないか気になったので、扱いは多少気を使う。


 以下、作例

_DQH0364
【sd Quattro H, 14mm F1.8 DG HSM | Art 017, @14.0 mm F2.0, 1/3200sec, ISO100】

_DQH0392
【sd Quattro H, 14mm F1.8 DG HSM | Art 017, @14.0 mm F8.0, 1/1600sec, ISO100】

_DQH0396
【sd Quattro H, 14mm F1.8 DG HSM | Art 017, @14.0 mm F5.6, 1/2000sec, ISO100】

_DQH0436
【sd Quattro H, 14mm F1.8 DG HSM | Art 017, @14.0 mm F5.6, 1/4000sec, ISO100】

_DQH0440
【sd Quattro H, 14mm F1.8 DG HSM | Art 017, @14.0 mm F5.6, 1/1250sec, ISO100】

_DQH0445
【sd Quattro H, 14mm F1.8 DG HSM | Art 017, @14.0 mm F5.6, 1/800sec, ISO100】

_DQH0454
【sd Quattro H, 14mm F1.8 DG HSM | Art 017, @14.0 mm F5.6, 1/2500sec, ISO100】

_DQH0457
【sd Quattro H, 14mm F1.8 DG HSM | Art 017, @14.0 mm F4.0, 1/400sec, ISO100】

_DQH0459
【sd Quattro H, 14mm F1.8 DG HSM | Art 017, @14.0 mm F4.0, 1/800sec, ISO100】

 換算18.6mmの広さ・強烈なパースが気持ちいい。
 灯台の写真が一番ゴーストが酷かったものだが、それでもこの程度で収まっている。太陽をフレームに入れたものでも1枚目はほんの少しゴーストは出ているが、2枚目はゴーストすら見当たらない。ここまで逆光に強いレンズはSIGMAにはなかなかない。
 いままでは単焦点中心では広角がカバーできないために18-35mmを持ち出すことが多かったが、このレンズのおかげで単焦点中心の撮影が捗りそうだ。

 SIGMAのsd Quattroが発売されてから、本日7月7日で一周年となる。
 sdQは発売日に予約購入したので、私がsdQを触ってからもちょうど一年が経った。とはいえ昨年12月以降はもっぱらsdQHばかり使っていたのだが、まあ大きな違いはないとしてsdQ無印・sdQH双方を含めたインプレッションをまとめる。

_DQH0332
【sd Quattro H, 18-35mm F1.8 DC HSM | Art 013, @35.0 mm F4.0, 1/100sec, ISO100】

 昨年の2月23日、sd Quattroが発表された。その日に書きなぐった記事がこれだ。

sd Quattro / sd Quattro Hが発表された | 五海里
http://illlor2lli.blogspot.jp/2016/02/sd-quattro-sd-quattro-h.html

 当初、OVFが好きな私にはミラーレス化した後継機には非常に否定的だった。今読むとさすがにひどすぎたかと少々反省している。
 CP+でも試作機を試したが、EVFの表示品質の低さとバッファ開放速度の改善の2点に目が行った。

_DQH0327
【sd Quattro H, 18-35mm F1.8 DC HSM | Art 013, @35.0 mm F2.0, 1/200sec, ISO100】

 その後、sd Quattro無印が発売。予約購入。

SIGMA sd Quattro | 五海里
http://illlor2lli.blogspot.jp/2016/07/sigma-sd-quattro.html

 この時点でSD1に比べて非常に快適なカメラだという印象を持った。

 撮影後ほんの1秒程度で確認できるプレビュー、詰まらないバッファと書き込み速度、だいたいのピント位置と色がわかる液晶、画像再生画面の拡大・縮小等レスポンスの良さ、ライブビューでの拡大MF、AWBの正確さ、電池の持ち、長秒露光での電池消費の少なさ。
 どれもSD1に慣れていると感動モノだ。

 また、この記事では挙げていなかったが、何よりもありがたい改善が「AFの正確さ」だった。SD1ではAFで撮影していると精度が低いために非常に歩留まりが悪かったが、sdQになってからはピントを外すということはほぼなくなった。これだけで失敗写真として捨てる割合が激減したのだ。コントラスト式で合わせているので当たり前の話ではあるが、SD1のAFを使っていた身には革命的だった。
 AF速度はこの時点では亀の歩みだったが、動体を撮らない私にはさほど問題になるものでもなく、精度向上の恩恵のほうが大きかった。
 しかしAF面の問題は速度だけではなかった。SGV以前のレンズでのAFが非対応なのだ。
 私の手持ちレンズではほとんどのレンズは問題なかったが、マクロレンズは全てAFが使い物にならなかった(過去形)。
 CP+での試作機で気になった点のひとつであるEVFの表示品質だが、光量が十分でないCP+の会場で短時間試しただけの印象と比較してだが、多少マシにはなった気がする。ただしかなりハッキリとしたコンニャク現象が見られるため、動体を撮る気には全くなれない。

sd Quattro背面液晶のローリングシャッター現象 | 五海里
http://illlor2lli.blogspot.jp/2016/07/sd-quattro_17.html

 遅延も少ないとは言えないレベルだ。
 もう一点のバッファ開放速度だが、こちらも計測して記事にしている。

sd QuattroにおけるSDの速度が与える影響 | 五海里
http://illlor2lli.blogspot.jp/2016/08/sd-quattrosd.html

 こちらもCP+での試作機と比較すると随分と良くなったように思える。 そもそもCP+の時点でSD1より遥かに良かったので、何の不満もない。

_DQH0173
【sd Quattro H, 85mm F1.4 DG HSM | Art 016, @85.0 mm F5.6, 1/640sec, ISO100】

 その後、sd Quattro Hが発売。こちらも予約購入。

SIGMA sd Quattro H | 五海里
http://illlor2lli.blogspot.jp/2016/12/sd-quattro-h.html

 基本的にはsdQ無印よりセンサーが多少大きくなっただけのカメラだ。
 私の個人的意見としては、高精細化よりも広角で撮れることのほうがありがたい。クロップ倍率が無印の1.5から1.33になっている。
 記事内では無印との違いはセンサーサイズのみと書いたが、実はサイズ以外に2点無印より改善がある。AF速度と読み出し速度だ。
 AFに関しては無印の亀の歩みが人の徒歩くらいになった。無論、動体を撮れるレベルではない。また、上にマクロレンズはAF不可と書いたが、sdQHではAFによる合焦が可能になっている。
 読み出し速度の向上では、連射速度が無印の3.6fpsから3.8fpsに微増している。無論、無印だろうがHだろうが連写用途に使える速度ではない。バッファ開放速度自体はデータ量の増加から無印のほうが優秀だった。

sd Quattroとsd Quattro Hの書き込み速度比較 | 五海里
http://illlor2lli.blogspot.jp/2017/04/sd-quattrosd-quattro-h.html

 微々たる変化ではあるがAF速度の向上は嬉しい点だ。

SDQ_0532
【sd Quattro, Art 18-35mm F1.8, @25.0 mm F2.8, 1/100sec, ISO100】

 以上がsdQを使っての印象だ。

 最後に良い点・悪い点をまとめる。


  • 良い点

・AF精度の良さ★★★
 sdQを使っていて一番恩恵を受けたのがここ。
 SD1に比べるとあまりにも、あまりにも快適すぎる。

・バッファ開放速度★★★
 SD1に比べると単写ではバッファの存在を意識することがなくなった。

・AWBの優秀さ★★☆
 AWB、もしくはAWB(色残し)だけでカラー調整を触る必要がほぼなくなった。
 しかしSD1では狂った色を自然な色、目的とする色に合わせる作業自体を楽しんでもいたため、写真を撮るためにカメラを使うのではなくカメラを弄るために写真を撮る人間にはやや物足りなさを感じる。

・色の自然さ★★★
 SD1では赤外線をカットしきれていないためかマゼンタに転ぶことが多かったが、sdQでは自然な色が出る。

・sdQHの大センサー★★★
 所有レンズの多くがDGであり、広角が好きな私にとってはクロップ倍率1.33倍はうれしい。

・液晶の優秀さ★★☆
 優秀というか、あまりにもひどかったSD1に比べて並レベルになってくれた。

・2ダイヤルが2ダイヤルとして使える★☆☆
 SD1の絞り優先で前ダイヤル・後ろダイヤル共にF値の変更が割り当てられているほうがどうかしている。後ろダイヤルが露出補正に使えるようになったため便利になったが、出来て当たり前だ。

・背面に飛び出したファインダー★★★
 鼻が液晶に当たらない。液晶の汚れもなく窮屈さも感じない。

・縦グリップの機能向上★★☆
 SD1のレリーズボタンだけ、ダイヤルすらなくF値を変えることもできない縦グリップから素晴らしい進化を遂げた。とはいえこれもようやく並レベルになったのかもしれないが。
 しかし非煙突式でバッテリーを本体1+縦グリ2の3個を同時に使用できるようになったのは他社に比較しても優れている。できれば3個全てを同時に消費するのではなく、一個ずつ消費する形式であれば最高だった。



  • 悪い点

・SS最高速が1/4000★★★
 SD1では1/8000が切れたのに比べると、このたった1段が辛く感じることが予想以上に多かった。特に晴天時にF1.4レンズを多用することが多い私には1/8000が欲しかった。

・白飛び気味なAE★☆☆
 輝度差が大きいシチュエーションでは、たいてい高輝度部が飛ぶ。sdQを使っている時は常に露出補正を-0.7〜-1.0段掛けっぱなしで使用している。露出補正で問題なく対応できているので大きな問題ではない。

・電子先幕シャッター、電子シャッターがない★★☆
 解像感をウリにするFoveonでこれがないのはお粗末。挙句SFDの7連写をメカシャッターでやらせるのは意味不明。

・SFD使用時、露出補正が不可能な範囲でも何の警告もない★☆☆
 SSの範囲は1/4000〜30秒のため、±3段の露出補正で撮影するには±0段時に1/500〜4秒の範囲でなければ露出補正が不可能になる。例えば±0段でSS8秒の場合、+1段が15秒、+2段が30秒、+3段でも30秒(実質+2段)となり+3段の撮影が不可能になる。
 厳密に調査してはいないが、+側が本来得たい露出よりも暗くなった場合は逆にノイズが増えている印象がある。
 SSが1/500〜4秒から外れた場合は警告を出すべきだ。
【2018/8/13追記】
 ファームアップにより1/500以上の高速シャッターが規制された。なぜか低速側はないようだが……

・グリップ形状★☆☆
 SD1のグリップが優秀過ぎた。あれと比較すると同等以上と評価できるカメラは殆ど無い。
 また、縦グリ非使用時は小指が余る。

・電子ファインダーの品質は高くない★★☆
 遅延、コンニャク現象、像質共に品質が高いとは言えない。動体、特に不規則に動く虫や鳥などを撮るのは不可能と思ったほうがいい。
 まあ、動体を撮るカメラではない。

・AFが遅い★☆☆
 精度を考えればこの程度ストレスにはならない。
 なぜかAF-Cの設定が可能だが、存在意義がわからない。当然動体は撮れない。MFで追うのもファインダーの関係で不可能と思ったほうがいい。
 まあ、動体を撮るカメラではない。

・光軸からオフセットされたファインダー★☆☆
 これはむしろ歓迎されているのかもしれない。右目で覗いたときに光軸が顔の中心に来ること、右手上の縦位置で違和感なく覗ける位置になることを見ると、よく考えられた配置だと思う。
 しかし、MACRO 180mmに2倍テレコンを付けた360mm 2倍マクロで最短付近を撮ろうとすると、自分がどこを覗いているのか全くわからなくなる。たいていファインダー内の景色は意図した位置よりも左側だった。
 光軸上にファインダーがあるSD1ではこのような現象はなかったため、光軸上のファインダーに慣れた人間には極端な条件ではデメリットが現れるのではないかと思う。そして特にメリットを感じたことはない。
 また、私は縦位置を撮る時は残念ながら右手下で撮る。

・絞りプレビューがない★☆☆
 あまり使わないが、ミラーレスで絞りプレビューをする術がないのもどうなのだろうか。


 総じて評価すると、SD1と比較して遥かに快適なカメラに進化している。特にAF精度が素晴らしく、この一点だけで七難隠す。
 発表当初はOVFがないことから不満だらけだったが、実際に使ってみると素晴らしいカメラだった。
 しかしメリットの殆どはLV付き一眼レフでもいいのではないかと思う。LVF-01が装着可能なLV付き一眼レフ、出してくれませんかね。