アクセサリの少なさに悩むSAマウント使いの皆さん、こんにちは。

 Peak Designからレンズ交換を簡単にするためのアクセサリ、Lens Kit(Capture Lens)が発売された。Lens Kitはレンズ取付部単体での商品名で、Capture Camera ClipとセットとなったものがCapture Lensという名称で販売されている。私はCapture Camera Clipは二個持っているためLens Kit単体で購入した。

 このLens Kit、例によってCanon EFマウント、Nikon Fマウント、SONY Eマウントの三種類しか販売されていない。他マウントユーザはKickstarterのコメント欄に「このマウントも出して!」と書き込んでいる状態だ。そのため要望の多いマウントに関しては将来的に対応される可能性はある。
 しかし断言しよう。将来的に追加されるマウントはまずm4/3、奇跡が起きればSONY AマウントとPENTAX Kマウント、Fujifilm Xマウントであり、奇跡が起きようが天地がひっくり返ろうがSIGMA SAマウントは追加されない。絶対にだ。
 また、奇跡が起きてPENTAX Kマウント用が発売されたとしよう。形状的にKマウントと同一と言われるSAマウントならばK用で使用できるのではないか? という希望が浮かぶ。
 しかし、過去記事に書いたとおり手持ちのK用リバースアダプタや接写リングはそのままではSAマウントに取り付けできない組み合わせがある。ノギスでマウント部を計測したところ、レンズ側K-ボディ側SAならばガタが生じながらも取り付けはできるが、レンズ側SA-ボディ側Kでは取り付けできないことが判明した。Lens KitのK用が発売されたとしてもレンズ側SA-ボディ側Kという使用できない組み合わせとなってしまうのだ。

 しかしPeak Design好きのSAマウント使いとしてはLens KitもSD1も使いたい。となるとLens KitをどうにかしてSAマウントに対応させる必要がある。
 そこでまず思いつく方法としては、SONY Eマウント用に対してSA-Eマウントアダプタを利用してSAマウントレンズを取り付ける方法だ。
 ところがこの方法ではフランジバックの差だけマウントアダプタの厚みが必要になってしまう。SONY Eマウントのフランジバックは18mm、対するSIGMA SAマウントは44mmだ。その差26mm。Lens Kitの両側にアダプタを取り付ける必要があるため、二個分の52mmが余計な厚みとして必要となる。
 これではあまりにもかさばりすぎる。

 そこでマンフロット405をアルカスイス規格互換に改造したときと同じ方法を取ることとした。そう、自分で図面を引き、マウント部のパーツを作ってしまうのだ。
 もともとはこちらのマウント交換が構想としてあり、後からそれができるならば405のアルカ化もできるのではと実行したのが上の記事なのだ。

 と、いうわけで本家Webにて一般販売が開始されたタイミングでEF用を購入した。K用発売の奇跡が起きればSAに流用できるのではと思っていたため流用できないことに気づくのが遅れてしまい、Kickstarterで注文できずに本家Webで普通に購入することとなった。
 Lens KitとSAマウントのボディ側・レンズ側を計測して引いた図面がこちら。寸法レイヤーは非表示にしてある。


 見ての通り、レンズロックピンの位置を基準にマウント部の位置を合わせたので、外径に対してマウントが数mmオフセンターな配置となっている。
 Lens KitはCanon EFマウント用をベースとしているが、マウント径が近いものを選んだほうがよかったかもしれない。ベースが違うのかは確認していないが。
 加工は前回と同じく1-OFF.jpで。

1-OFF.jp
http://1-off.jp

 発注にあたり悩んだのが材質だ。マウント部には真鍮が使用されることが多いようだが、それはレンズ側の話だ。ボディ側のマウントは一般的に何が使用されているのか調べたところ、同じように真鍮+硬質クロムメッキかもしくはステンレスが多いらしい。
 そこで最初は加工性がいい真鍮+硬質クロムメッキで作成しようかと思ったが、硬質クロムメッキ同士では摺動時にかじりを起こして摩耗が多くなるとのこと。レンズ側にもおそらく硬質クロムメッキが施されているだろうことを考えると、残る選択肢はステンレス一択となる。
 金額的制約がないならばSUS316でも選択するのだがそうもいかない。被削性を考えてSUS303とした。
 なお、本家Peak Designのマウント部はどうもアルミ製アルマイトなしのように見える。レンズ側マウントと摺動することを考えればLens Kit側を弱い材質で作ることでレンズ側を保護し、摩耗したらLens Kitだけを新調すればいいので合理的な選択と思える。
 しかしSAマウントパーツはワンオフ制作だ。アルミで制作して摩耗した場合、もう一度ワンオフで発注しなければいけない。そしてそれはレンズ側マウントがすり減って修理に出すよりも確実に高額なのだ……

 そして待つこと1ヶ月。完成したのがこちら。


 うつくしい……
 マウント取り付け指標にはエナメルで赤の塗装を入れてもらった。

 裏面はこちら。


 そして組み込んだ状態がこちら。


 パーツの外径も元のLens Kitにピッタリと合っている。
 組み付けは表裏のネジが一本の丸棒の両端にあるメネジに付けられており、表側のネジを回しているのに裏側が緩んでくることがあった。これは組み立てコストがかかりそうな……


 実際にレンズを取り付けてみたところ、純正EF用よりもガタが少なかった。元のマウントパーツはそこそこ公差がゆるいのか、ガタが問題にはならない程度だが大きいのだ。
 これはボディ側マウントに板バネが入っていない以上、どうしても出てしまう。にも関わらず改造後はこのガタの少なさ。加工精度が素晴らしい。


 しかし一点、失敗したところがある。このロックピン付近の爪下側にできた段差だ。


 レンズをマウント側へ押し付けずに回すと、この段差に引っかかってしまう。ちゃんと押し付けながらでは問題にならない。スムーズに取り付けができる。
 この箇所は図面を見ればわかるが、図面がてきとーで間違っている。反省点だ。

 マウント部が外径中心よりオフセットされているせいで、レンズ取付指標は赤に塗ってもらっているがちょっとわかりにくくなっている。ここは慣れが必要だろう。

 また、オフセットの弊害としてレンズ側マウント面が一部はみ出してしまっている。


 傷などが少々心配か?

 このマウント部のパーツをアルミからSUSへ変えたおかげで、重さが少々増してしまった。これは仕方がない部分である。

 あとはLens Kitそのものの使い勝手だが、小さいレンズならば非常に便利に使えそうだ。しかしMACRO 180mm F2.8はちょっと大きすぎだ。まだ外に持ち出していないので運用法はこれから考えていく。

 これでCaptureを二つ手に入れた意義がようやく出てきた。これから活躍してくれることだろう。

 フォーカシングスクリーン:固定式、全面マット

 SD1の仕様表にはこう書いてある。
 では、この金具はなんだろう?


 明らかにスクリーンを取り外せそうな金具がある。メンテナンスの観点からもここからスクリーンを取り出せるようにしていると考えて間違いない。
 とはいえ、取り出したところで交換用のスクリーンを持っていない。別にスクリーンにゴミが挟まったわけでもないし、外してみたところで何もできない。
 ならば構造もよくわかっていない素人が触ってもリスクがあるばかりでなんの意味もない。というわけで触ってこなかった。

 しかし、SD1の交換用スクリーンが売っていた。台湾で。

Focusing Screen
http://www.focusingscreen.com

 非純正のスクリーンはカメラを便利に使いたい場合は手を出してはいけない。露出計が狂うからである。というのも今の一眼レフの露出計はペンタプリズム部に配置されているため、スクリーンを通った後の明るさを見ているからだ。拡散性が強いスクリーンに交換すればオーバーに、弱いスクリーンに交換すればアンダーになってしまう。そのためスクリーンが交換できるカメラでは設定に使用中スクリーンを選択する項目がある。
 などという理屈は百も承知で見つけたその日に注文した。面白そうだったんだもの。

 このスクリーンはNikonのFM3A用のK3型スクリーンを加工しているようだ。
 FM3Aはマニュアルフォーカスのため、スクリーンには期待を持てそうだ。K3型スクリーンはスプリットイメージ・マイクロプリズムによるピント合わせが可能で、スプリット部分も素通しではなくマット面になっている。

 交換手順は販売ページにも載っているが、日本語の情報が見つからなかったので一応解説していく。
 しかしこの手順解説ページで使っているSD1、ライカRマウントに換装してある。初めて見た。

 まずIRフィルタ兼プロテクタを取り外す。プロテクタの枠に矢印があるのでその方向に押せば簡単に外れる。


 そしてカメラをひっくり返した状態で件の金具を押す。

 ここでカメラをひっくり返さずにいると、スクリーンがミラーに落下して傷をつける可能性がある。
 フォーカシングスクリーン交換式のカメラではこの枠がヒンジでつながっていてそのような心配がないように作られているが、ユーザーによる交換を想定していないカメラなので仕方がない。

 押しながら上に持ち上げると枠が取り外せる。


 私はこの後カメラをひっくり返してスクリーンを取り出した。


 が、ひっくり返すのはやめておいたほうがいいかもしれない。
 写真では金色の枠が一緒に出てきているが、この枠は取り出すべきではない。出してしまった場合は元の場所に戻そう。

 あとは新しいスクリーンを向きに注意して取り付け、逆順でパーツを戻すだけだ。


 というわけでまずは露出計のズレを確認する。
 日没後、同条件で白い壁をピント位置無限遠、絞り優先オートで5回ずつ撮影したときのシャッタースピードがこちら。


 これを見る限り、評価測光で使う分には大きな影響はなさそうだ。
 K3スクリーンは中央部にスプリットイメージ・マイクロプリズムがあるため、スポット測光・中央部分測光ではアンダーになっている。

 次は過去記事の「フォーカシングスクリーンの拡散性を実測する」で行ったテスト。
 条件は過去記事と同一とした。マット面の明るさを見るために中央からずらした状態でテストしている。その結果が以下となった。


 なんとも腑に落ちない結果だ。F3.2から一旦変化がなくなるが、F1.6〜F1.4までくると僅かに変化が出ている。追試すれば結果は変わるのではないだろうか。
 自分で絞りを変えながらファインダーを見ていると、概ねF2.2までで明るさの変化を感じ取れなくなる。
 露出計も殆ど狂いが出ていないことを考えれば、SD1 Merrillと同じF2.2くらいまでの光束が見えていると考えられる。
 定量的・客観的な結果を求めて拡散性測定をしているが、今回の結果は信用出来ない。でももう一度機材をセットするのは面倒なので再テストはやらない。

 そしてピント精度の確認。
 MACRO 105mm F2.8の開放でMF。「12」の「2」部分にピントを合わせた。


 ピントはちゃんとあっているようだ。調整は不要だった。

 このスクリーンでひとつ期待していたものがある。それは8-16mm F4.5-5.6でのMF改善だ。
 8-16mmは広角端で有効径1.78mmと、私が持っているレンズの中で最も小さい。これで遠景をMFすると、ピントリングを回しても回してもピントがあっているようにしか見えないのだ。
 しかしスプリットイメージ・マイクロプリズムならばもしかしたら……と思っていた。
 試してみたところ、スプリットイメージ部分で僅かに像が左右にズレるため、全面マットよりはいくらかピント合わせはしやすかった。
 とはいえやはり合わせにくい。よほどのことがない限りAFで使うだろう。

 もしかしたらSAマウント機の中では最後の光学ファインダー機になるかもしれないSD1 Merrill。
 sd Quattroが一眼レフではなくミラーレスだったため、まだまだ頑張ってもらわなければならない。


 たのしい!


 まさかまさかの。

 私はSIGMA信者と呼ばれる人種だ。社長のインタビューは欠かさず読み、「これは出す」「これは出さない」「これは答えられない」といった内容も記憶していて、噂やリーク情報も見ている。50-100mm F1.8も焦点距離まではわからなかったが、F1.8ズームだろうなぁとは思っていた。SD1後継機に関しても今日発表があることはわかっていた。
 だが、ミラーレスとは全く予想外だった。

 以前、「SD1後継機に望むもの」という記事を書いた。この記事の妄想がどの程度実現されただろうか。

sd Quattro | カメラ | SIGMA GLOBAL VISION
http://www.sigma-global.com/jp/cameras/sd-series/

1. Foveon X3 Quattroセンサ搭載
 まさかここから当たらないとは。
 APS-Hサイズの新センサー以外に、オートフォーカスが「方式 位相差検出方式 + コントラスト検出方式」となっているところを見れば、像面位相差が追加されているものと思われる。

2. ライブビュー搭載
 ライブビューどころかミラーレスだ。
 私を含めSD1に他社製レンズをつけたことがある人の懸念と「ピントさえわかればモノクロでも……」という心配は全くいらなかったようだ。

3. 処理速度・書き込み速度改善
 最大撮影枚数はSD1の7コマから14コマ(Hは10コマ)になった。しかしバッファフルからの復帰時間は触ってみないとわからない。
2016/06/26追記
 sdQの連続撮影枚数は12コマへ変更された。

4. ファインダーの改善
 そもそもミラーレスになってしまった。
 EVFは236万画素の倍率1.09倍、アイポイント21mm。
 気になるのは無印もHも倍率が1.09倍と表記されていること。これはそのまま読み取ればHのほうがファインダーが大きいと読み取れる。どういうことだろう? 本当にHのほうがファインダーが大きい?
 それ以外ではファインダーの背面側への飛び出し量が大きいため、鼻の圧迫感が少なそうに見える。光軸の右側にオフセットされたEVFはやや覗きにくそうだが、縦グリップ使用時は使いやすい位置に来るものと思われる。こんなところだろうか。
2016/06/26追記
 ファインダー倍率が訂正された。
 無印が約1.10倍、Hが0.96倍となる。35mm判換算ではどちらも同じになるので、ファインダーの大きさはどちらも同じだ。

5. 電子先幕シャッターの搭載
 搭載されていないようだ。Foveonの解像度を活かすならば付けるべきだと思っているが、まあ解像感で勝るMerrillにないのにQuattroにあったってしょうがないとも少し思う。

6. バッテリー容量の増加
 まさか本当にバッテリーを変えてくるとは思わなかった。
 前の記事では変えて欲しいといったが、むしろ同じだったほうがsdQ購入時にチャージャーが手に入るので型番22で揃えやすかった。

7. 外観デザインはどうなる?
 以前ちらりと「SD1後継機のデザインは普通のカメラ」という情報があったが、どこも普通ではなかった。

8. AF性能はどうなる?
 なるほど、ミラーレスならAFセンサいらないね!


 APS-Hの撮像素子は画素ピッチは同一のようだ。最低限のリソースでより大きい撮像素子を採用してきた。


 他、仕様表などを眺めて思ったこと。

・シャッター速度 1/4000秒~30秒、Bulb (バルブ設定時は最大で2分)
 なんでスペックダウンした?

・内蔵フラッシュなし
 ないこと自体はいいが、1灯でリモート発光できるのだろうか? できないならばもう1灯買い足さなければならない。

・質量 約625g (電池、カード除く)(無印の場合)
 SD1に比べてさほど軽くもない。
2016/06/26追記
 Hの質量が追加されていた。630gと無印に比べて5gの違いがある。センサとシャッターの分だろうか。

・グリップ形状
 SD1よりもグリップ感は落ちそうだ。

・APS-Hに対応するDCレンズは?
 DCレンズのうちAPS-Hで使えるもの、使えないもの、クロップモードの搭載非搭載、クロップ時のRAWの取り扱いについて教えてほしい。


 わりと投げやりな書き方で気付いたかもしれないが、正直な感想として落胆している。イライラもしている。
 sd Quattro Hはサブ用途で買う。買うが「これしかないならしゃーない、買うか……」というテンションで買う。買ってもメインにはならない。メインカメラは変わらずSD1 Merrillだ。

 フォトキナでOVF機が出るという奇跡が起これば涙を流して喜び、財布が血を吐こうとも買うが、無理だろう。SIGMAがSAマウント機を2機種一挙にラインナップするというだけで随分思い切っている。
 AマウントOVF難民をネタにしていたが、なんのことはない、SAマウントもOVF難民になってしまった。

2016/3/3追記
 CP+で触ったファームウェアバージョン0.0.3は以下のような感じだった。
・ファインダーの品質はよくない。
・ピーキングが少々見辛い。が、ピーキングの色にもよるだろう。
・背面に出っ張った接眼部がとてもいい。眼鏡越しに覗いていて鼻が液晶に当たらない。
・右手下縦位置でも覗きづらさは感じなかった。
・バッファフルからの復帰は7枚まではサクサク開放された。しかし8〜14枚目の開放速度はMerrill並。
・2ダイヤルがようやく2ダイヤルらしく使えるようになった。Aで後ダイヤルが露出補正として働く。
・ブラケットの設定の仕方確認するの忘れた。

2016/7/9追記
 無印が思ったより安かったため、無印も購入した。

2016/12/25追記
 sd Quattro Hを購入。
 私が所有しているカメラバッグは全部で6個。うち4個がメッセンジャーバッグタイプで2個がリュックタイプだ。
 カメラバッグ沼とまでは言えないが、それなりに数はあるので比較しながら紹介していく。


  • メッセンジャーバッグタイプ

Lowepro Event Messenger 250
 一番頻繁に使っていたバッグ。
 ボディ1台 + レンズ3本が収納可能。SD1 Merrill + Art 50mm、MACRO 180mm、Art 18-35mmを余裕を持って入れることができる。


 前面にはフィルターや予備バッテリーなどを入れておける。


 こちらも容量はそこそこあるので不足を感じたことはない。
 また、背面にも収納がある。こちらにはあまり厚みのあるものは入れられないので財布などを入れている。


 定評のあるLoweproだけにスタンダード。不満点はほぼない。


・Canon 品番不明
 少々小さめなバッグ。
 SD1 Merrill + Art 50mm、Art 18-35mmの二つでもういっぱい。


 しかもこれだけで金具を閉められなくなる。
 また、このバッグはベルトが短い。


 そのため斜めがけができない。私はなで肩気味なためこういうバッグはまともに使えないのだ。実際のところまともに使ったことはない。


・SIGMA 品番不明
 SIGMAブランドのカメラバッグで信者アピールをしようかと思ったのだが、上のCanonのもの以上に小さかった。


 カメラを上の二つのように縦に入れると閉められなくなるため、横にして入れている。
 一応18-35mmも一緒に入れられるが、重ねて入れざるをえないためカメラが取り出しにくい。


 この大きさだとレンズ一本のとき専用と考えたほうが良いかもしれない。


 Loweproのものが「使っていた」と過去形なのは、今はこちらを使っているから。
 Peak Designは大好きなためKickstarterですぐに出資した。日本でもそのうち発売されるだろう。
 SD1 Merrill + Art 50mm、MACRO 180mm、Art 18-35mmを入れてもまだまだ余裕がある。


 この状態でフタを閉めても四つある金具中で下から二つ目で留めることができる。


 ベルトも長さの自由度が高く、変形可能なFlex-Foldという仕切りを採用し、側面にCapture Camera Clipを付けることができ、この中では唯一三脚の持ち運びにも対応と、様々な機能がある。大半の機能は紹介ビデオを見れば把握できる。写っているのはプロトタイプのため三脚には対応してない頃のもののようだ。
 このバッグも背面に収納があり、MacBook Proの15インチがすっぽり入る。
 今のところこれ以上のメッセンジャーバッグはないだろうと思っている。大容量なぶん、やや重いことだけが難点だ。


  • リュックタイプ
 これを買ったのは失敗だった。
 容量は入れようと思えばボディ1台 + レンズ7本程度まで入ると思われる。そこまで入れては重すぎるため入れたことはないが。


 側面が開いて、そこからカメラを取り出せるタイプ。
 私は仕切りを使ってカメラを真ん中に、その上下にレンズを二本ずつ、合計五本のレンズが入るようにしている。


 しかしさすがに下半分にレンズ五本を入れるとかなりギチギチになる。
 二気室になっているため、上半分にはアクセサリ類を収めておくことができる。


 また、背面部分はPCが入る。


 しかしこの部分にPCを入れるとバッグが背中に沿わなくなり、非常に疲労が溜まりやすくなる。

 なぜこれを買って失敗したかというと、まずリュックとしての基本機能が弱い。
 チェストベルトがない。ウェストベルトがちゃちい。PCを入れると背中が痛い。肩ベルトが長すぎて調整幅が狭い(結局切って短くした)。
 そして側面から機材が出し入れできると言ったところで、結局バッグを降ろさなければ安全に出し入れなどできない。一度背負ったままレンズ交換をしようとしたが、これを続けていたら確実にレンズを落とすと確信した。
 という理由で今は使わなくなってしまった。


 マンフロットのバッグの不満点を解消できるバッグはないものかとtwitterでつぶやきながら探していたら、このバッグの存在を教えていただいた。


 このバッグがどういうものかはレビュー動画を見ればだいたい理解できるはずだ。
 リュックとしての基本機能は充分。そしてなんといってもレンズ交換の為にリュックをいちいち下ろす必要が無いというのが素晴らしい。
 このバッグは通常版とDeluxe版の二種類が存在している。両者の違いはDeluxe版には各種オプション類がセットになっていることだ。
 Deluxeに付属するオプションの中にはインナークッションがある。これはリュック本体側の気室にすっぽりとはまる。


 本体側にはSD1 Merrill + Art 50mm、MACRO 180mmを入れても左下にスペースが余っている。ここにはArt 35mmくらいなら入れることができる。18-35mmはきびしい。
 こちらには天蓋を開けてもアクセスできるが、こちらから開けるメリットはほぼないだろう。


 このインナークッションは取り外して別途レンズポーチなどを用意したほうが容量を有効活用できるかもしれない。
 そしてRotationシリーズの最大の特徴、ウェストバッグ部分。右側からのみ引き出せる。


 こちらには入れようと思えばレンズ4本くらいなら入れることができる。


 更にウェストベルト部分には右側に別売りのレンズスイッチケースを取り付けることができる。
 私はCapture Camera Clipをつけているためケースは買っていない。


 左側には小さい収納がある。大した容量ではないが、行動食や携帯電話くらいならば入れておける。


 他の収納は側面に一つずつポケットがある。左側はハイドレーションに対応しており、下部にもポケットがある。私はよく下部のポケットにペットボトルを差している。


 右側にはレインカバーが入っている。こちらの下部はウェストバッグを取り出す時の通り道になるためポケットはない。


 更に左側面から背面の大きなポケットにアクセスできる。
 主に外套などを入れておくためのものになるだろうが、PCを持ち運ぶ場合はクッションがないがここに入れることができる。


 また、レインカバーはウェストバッグにもある。が、リュック本体にカバーをかけていればこちらはいらない気もする。


 また、当然三脚の持ち運びにも対応している。しかしDeluxe版でなければ三脚用オプションは別売りとなっているため注意。
 正直なところ通常版は付属しないオプションが多いためあまりおすすめできない。
 バッグを上げ下ろしせずにレンズ交換を行いたいという要求には最高だった。難点は値段が高いことくらい。


 私のカメラバッグはEveryday MessengerとRotation180 Professionalでアガリへと至った。双方ともこれ以上のものはまず見つからないと思われるため、今後カメラバッグを買い足すことはないだろう。
 可能性があるとすればPeak Designがリュックタイプのバッグを出した場合だろうか。


 こんなのがあると便利かもよ、というだけ。

 肩掛けバッグにボディとレンズ3本入れて出かけた後、肩がものすごく痛くなったことがあった。そこで自分が持ち運べる重量の限界がだいたいわかったのだが、他の組み合わせでその重量を超えているのかどうかわからない。
 そこでこういった表があれば定量的に判断ができるのではないかと作ってみた。
 バッテリなど複数持つ可能性があるものもあるので、SUMIFではなくSUMPRODUCTで合計重量を計算している。

 カメラバッグなんかはおそらく実測値はもう少し重い気がする。重量を測る道具を持っていないので分からないが……
 あとM42レンズ群も重さがわからないので入れていない。

 この表に載っていないアクセサリ類(Capture Camera Clipやストラップ、フィルタなど)もあるが、構成を考える時の目安にはなるのではないだろうか。

2016/05/04追記
 機材重量表のExcelファイルを置いておく。
 ダウンロード

 ハンドストラップは今まで五種類を試した。

Nikon HSBK
Nikon AH-4
ULYSSES アルチェーレ・グランデ
Peak Design Clutch
Peak Design Cuff

 このうちPeak DesignのCuffはハンドストラップというよりリストストラップと呼んだほうが正しいものでちょっと毛色が違う。
 この五種類を使用してみて、自分のハンドストラップの好みがはっきりしたので書き記しておく。
 最初に書いておくが、この中で継続して使っているのはアルチェーレ・グランデとCuffだけだ。

 まず一般的にハンドストラップに求められる性能として「グリップ感向上」と「脱落防止」の二種があるかと思われる。
 私はこの内グリップ感向上はどうでもいい。一般的なストラップを使用できない場合の脱落防止になりさえすれば良いのだ。なので肩掛けストラップを使用しているときはハンドストラップは付けていない。


 まずPeak DesignのClutchだが、これは最も一般的なカメラ右肩のストラップ穴から底部に通ったベルトで手をグリップに固定するものだ。
 このタイプでは手の甲をグリップ側に押し付けているだけであるため、手がスルリと抜けてしまう可能性がある。抜け落ちる心配が少なくなるまで締め付けた場合はキツすぎて操作に難が出てしまい、シャッターすら非常に押しづらい。
 このClutchはそういった「操作時に最適な長さ」と「持ち運び時に最適な締め付け」を簡単に切り替えられる構造となっているが、それでもやはり切り替えの手間はかかる上に脱落の危険性は比較的高い。
 このタイプの中では非常にできが良いが、脱落防止として見た場合は役に立たない。

 NikonのAH-4は手の甲を三方向から支える構造になっている。さらに手首部分のストラップを締め付けることで高い脱落防止効果が得られる。



 しかし締め付けるベルト部分がカメラ底部を経由しているために、締め付けると同時に手首がカメラ側に押し付けられてしまう。そのため操作性はよくない。
 操作性を求めて緩めてしまえば脱落の危険が増す。三方からベルトが出ているためClutchよりは脱落しにくいが、安心とはいえない。

 同じNikonのHSBKはそもそも締め付ける構造を持たない。脱落防止効果は気休め程度だろう。


 そしてULYSSESのアルチェーレ・グランデだが、これは上記不満点を全て解決する構造となっている。
 見た目はNikonのAH-4に似ているが、構造は全く違う。

AH-4の構造

 Nikon AH-4は手の甲を包む三角のパーツの両端から締め付け用のベルト(青)が出ており、カメラ底部を経由して締め付けを行う。青部分を締め付けると手がカメラ側へ締め付けられる。この状態では操作性に支障が出てしまう。

アルチェーレ・グランデの構造

 対してアルチェーレ・グランデの構造はClutchのタイプに手首用ベルトを付け足したものに近い。青部分を締め付けても赤部分には充分に余裕を持たせることができるため、操作性への影響は全く無い。かつ脱落は構造上起こりえない。

 私は持ち運び時にはグリップを握らずブラブラさせている。それでも脱落の危険はゼロだ。
 惜しむらくは帆布モデルでも革製のパーツが多いことだろうか。ULYSSES製品全般に言えることだが、なぜ汗をかく箇所に革を使うのだろうか? 見た目が良くても実用性に難があったら意味がないだろうに。価格も高めなため、他社から同じ構造でナイロンか合成皮革あたりでできたものが出たらすぐに乗り換えるだろう。革は好きだがこんなところに使ってほしくはない。

 材質以外にも機能面で一点だけ不満点があった。こういったハンドストラップ全般に言えることだが、底部の三脚穴を塞いでしまうのだ。
 私はハンドストラップはCapture Camera Clipと同時に使うため、CCC用プレートを取り付けられなければ非常に不便になってしまう。
 一応ハンドストラップのネジと同軸に三脚穴が付いているが、ここを利用してCCCにカメラをぶら下げるとカメラ自体の重みでネジが回ってしまうのだ。
 そのため、この点はClutchを参考に改造を行った。


 従来の底部取り付け部品を取り外し、Peak Designのアンカーリンクスを取り付けたのだ。
 これによりCCC用プレートにアンカーを付けておけば簡単に脱着ができるようになった。
 ちなみに最初の写真にNikonのHSBKが写っていないが、HSBKはこの中に生きている。


 この改造用の紐として。
 本体は捨てた。


 最後にPeak DesignのCuff。これはLX100につけっぱなしにしている。
 本音を言えば脱落防止だけを考えるのであれば全てこれだけで済む。
 ただ、片手を通した状態で手首の輪を縮めるのがやりにくく、落としたときに地面に激突はしなくともCuffの長さの分だけブラブラと振れてしまうため、そのときに何かにぶつけてしまわないとも限らない。アルチェーレ・グランデは完全に手を離してしまっても問題ないが、Cuffではそうもいかない。そのためアルチェーレ・グランデはまるっきり無駄というわけではない。

 Peak Design Clutchの評判を調べると、やはり持ち歩き時と撮影時にすぐに長さを調節できるのが便利だというレビューが多い。
 個人的にはそんな手間をかけずともアルチェーレ・グランデ一つで全て解決するのに、と思ってしまう。

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 三脚使用時、特に長時間露光ではファインダー接眼部からの迷光の影響が発生する。
 ということは知識としては知っていたが、実際にどの程度影響があるものなのかテストしてみた。
 テストはレンズキャップをつけたままファインダー接眼部へGENTOS BR-1000R(600ルーメン)を密着させた状態でSSを変えながら適正露出となるくらいの明るさを探して撮影。

 SD1 MerrillでSS1秒が下の写真。

【SIGMA SD1 Merrill, Art 35mm F1.4, @35.0 mm F16.0, 1, ISO100, 0EV】

 随分とカラフルになった。明るさの分布も左右が明るく、また変な模様のような状態となっている。サブミラーの形でも浮かんでいるのだろうか。
 直射以外に斜め上から、斜め下からも試してみたが、ほぼ何も写らなかった。

 次にα900でSS1/8秒が下。

【SONY DSLR-A900, Carl Zeiss Vario-Sonnar T* 24-70mm F2.8 ZA SSM (SAL2470Z), @24.0 mm F2.8, 1/8, ISO100, 0EV】

 SD1に比べ色は単色、明るさの分布は上部に四角い暗い部分が見えるが、殆ど画像上側を中心になだらかに変化している。
 SD1ではSS1秒でほぼ適正露出に写ったが、α900はSS1/8秒でややアンダー目となっている。漏れる光はα900のほうが8倍近く多いようだ。
 しかしα900にはアイピースシャッターが内蔵されており、それを閉めた場合は一切光は写らなかった。写真はただ真っ暗なだけなのでいちいち載せはしない。

 実際の撮影で影響が出るかと言われると、多分センサーに到達する光による影響はほぼないと思う。BR-1000Rの明るさと同等な光がファインダーに入ってくる状況は考えにくい。どちらかというと露出計が迷光を拾ってアンダーになることのほうが問題になるだろう。

 SD1の迷光防止は、アイカップを取り外し同梱されているアイピースカバーをはめる方式となっている。正直これは面倒くさい。SD1後継機ではアイピースシャッターを内蔵してもらえるとありがたい。